スポーツ報知 2016年12月30日20時2分
八重樫、強敵相手に１２回ＴＫＯ防衛！
王者・八重樫東（３３）＝大橋＝が、挑戦者のサマートレック・ゴーキャットジム（３２）＝タイ＝に１２回ＴＫＯ勝ちし、王座を防衛した。
八重樫は序盤戦、足をつかって距離を取っていたが、前に出てくるサマートレックに応じるように４回から近距離で打ち合う場面が増えた。７回には左ボディーからつなぐパンチが的確に当たるようになり完全に主導権をつかみ、何度もロープ際に追いつめた。
５月の初防衛戦前に左肩を負傷し、約８か月ぶりの試合。けがの影響も心配されるが「治療も含めて、できることを精いっぱいやってきた」と仕上がりに自信をのぞかせていた八重樫。サマートレックは２年前に井上尚弥に敗戦後は１４連勝中で、ベルト奪取に自信を見せていたが、八重樫相手に持ち味を出せずに終わった。
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スポーツ報知 2016年12月31日6時0分
八重樫、１２回ギリギリＴＫＯ！愛妻の誕生日にＶ２
思いを込めた拳が試合を終わらせた。Ｖ２を達成した八重樫は勝利インタビューで次女・一永ちゃん（３）を抱きかかえると頬にキス。約１か月前から彩夫人、３人の子供と離れ、ジムの近くのマンションで恒例の単身生活を送っていただけにリングに上がった子供たちを見て「この子たちと丸１か月離れていたので。倒せて良かった」と笑顔。最愛の家族へ勝利をささげた。
冷静に試合を運んだ。「相手をのみこもうと思ったらのみこめるけど、それはしたくなかった」。代名詞の激しい打ち合いではなく、序盤は足を使う新しいスタイルを模索。だが、大橋秀行会長（５１）の「プロなんだから、いくとこいけよ」の指令を受け、８回からは接近戦。上下のコンビネーションを中心に主導権を握った。１２回に左ボディーで棒立ちになった挑戦者にたたみかけたところを主審が試合をストップ。完璧な試合運びにも「攻め落とすところを落とせなかった。結局、最後は力技」と苦笑いした。
胸に秘めた思いはもう一つあった。「あしたは僕の先輩が返り咲く日なんで」。３１日には拓大時代の３年先輩で憧れの前ＷＢＡ世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志（３７）＝ワタナベ＝が王座奪還戦に臨む。「後輩の八重樫が勝ったと耳に入ると思う。あの人は試合は見ないですけど。でも、これで先輩に少しはつなげたかなと」とエールを届けた。
普段はパンパンに腫らす顔も、プロ、アマ通算１００戦目を勝利で飾った後はきれいなまま。報道陣が内山戦の解説もできるのではと投げかけると「やるならやりますよ」と冗談めかしたが、その目は次を見据えている。通算１０１戦目は当初予定されていた暫定王者ミラン・メリンド（フィリピン）との王座統一戦が濃厚。「けがもないので。すぐ始動して次を目指します」。激闘王はＶ３を目指し、再び歩き出す。
◆八重樫 東（やえがし・あきら）１９８３年２月２５日、岩手・北上市生まれ。３３歳。黒沢尻工高―拓大を経て２００５年３月プロデビュー。１１年１０月にＷＢＡ世界ミニマム級王座奪取。１２年６月、ＷＢＣ同級王者・井岡一翔との統一戦で敗戦。１３年４月に五十嵐俊幸を判定で下し、ＷＢＣ世界フライ級王座。１５年１２月にＩＢＦ世界ライトフライ級王座を獲得し、３階級制覇。１５９．５センチの右ボクサーファイター。家族は夫人と１男２女。
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スポーツ報知 2017年1月1日6時0分
井上「無傷」Ｖ４一夜明け「かなり満足」…八重樫は統一戦へ
１６年は５月の２度目の防衛戦で拳、続く９月のＶ３戦では腰を痛めるなど故障に泣いた１年だったが「今回は全くの無傷」という。「最後は納得がいく試合ができてよかった」と満足顔で振り返った、
新たな年は、世界４階級王者ローマン・ゴンサレス（２９）＝ニカラグア＝とのビッグマッチを目指す。陣営の大橋秀行会長（５１）は「来年は大きな試合があると思う」と改めて話した。井上尚は「やれるなら早い方がいいが、向こうのプランもあるので」と話した。
〇…Ｖ２に成功したＩＢＦ世界ライトフライ級王者・八重樫東（３３）＝大橋＝は、井上尚と一緒に一夜明け会見に出席。普段はパンパンに腫れる顔はきれいなまま。「子供から朝『父ちゃん、今日は顔きれいだね』と言われたよ」と照れくさそうに笑った。次戦は同級暫定王者のミラン・メリンド（フィリピン）との王座統一戦が濃厚。「相手が決まっている方がやりやすい」と気持ちを高ぶらせていた。
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