ボクシングニュース 2016年5月8日日曜日
井上拓真が2回TKO防衛、松本亮まさかのプロ初黒星
ボクシングフェス5.8ダブル世界タイトルマッチが8日、東京・有明コロシアムで行われ、アンダーカードのOPBF・S・フライ級タイトルマッチは、王者の井上拓真(大橋)が同級5位アフリザル・タンボレシ(インドネシア)に2回1分46秒TKO勝ち。2度目の防衛に成功した。TKO勝ちした拓真は世界挑戦をアピールした
拓真は初回からジャブ、ワンツーでタンボレシに圧力をかけて早くも主導権を握った。2回、近距離の攻防で左フックを振り抜くとタンボレシがなぎ倒されるようにキャンバスに落下。拓真は立ち上がったインドネシア人に襲い掛かり、右カウンターを決めて2度目
のダウン。主審が即ストップした。WBC4位など4団体でランク入りする拓真は「東洋は2度防衛してあとは世界しかないと思っている。必ず一発で獲れるようにしっかり準備したい」と年内の世界挑戦を希望した。4試合ぶりのKO勝利で戦績は7勝2KO無敗。タンボレシは12勝6KO5敗。
松本(右)は思いのほかパンチをもらってしまった
◇54.4キロ8回戦
ビクトル・ウリエル・ロペス(メキシコ)[TKO5回1分4秒]松本亮(大橋)
WBOバンタム級2位など4団体ランク入りしている松本はいつも通り初回から好戦的なボクシング。優勢ではあるが、ロペスも勇
敢に打ち返し、松本は少なからず被弾した。2回も同じような展開で、よりダメージを蓄積したのは松本だった。3、4回は完全にロペスのペースとなり、松本はアッパー、ジャブを食らって朦朧としている感じ。打ち返してはいたが、5回にロペスのワンツーが決まったところで主審が試合を止めた。松本はプロ18戦目で初黒星。戦績は17勝15KO1敗となった。気持ちを前面に出したボクシングで金星を挙げたロペスは9勝4KO5敗1分。Photo/SUMIO YAMADA
◇64.5キロ8回戦 井上浩樹(大橋)[TKO1回2分59秒]ビモ・ジャガー(インドネシア)
昨年暮れにデビューした井上兄弟の従弟、浩樹のプロ第3戦。初回から攻めていったサウスポーの浩樹は終了間際に右ボディブローを決めてジャガーをキャンバスへ。立ち上がったところに再びボディを決めてフィニッシュした。浩樹はデビュー戦から3連続初回KO勝ち。ジャガーは5勝1KO2敗1分。
熊本地震の募金活動に元世界王者が集結試合会場では先月27日のトリプル世界戦に続き、日本プロボクシング協会(JPBA)と世界チャンピオン会、大橋プロモーションが共同で熊本地震の義援金を募った。募金活動にはJPBAの原田政彦終身名誉会長のほか、韓国から殿堂入りの名世界王者、張正九氏も参加した。
http://goo.gl/Lio6jl
ボクシングニュース 2016年5月8日日曜日
井上尚弥がV2、右拳痛め世界戦初の判定決着
有明コロシアムで8日ゴングとなった「ボクシングフェス5.8ダブル世界タイトルマッチ」のメインイベントに登場したWBO世界S・フライ級王者の井上尚弥(大橋)は指名挑戦者ダビド・カルモナ(メキシコ)に3-0判定勝ち。2度目の防衛に防功した。スコアは118-109×2、116-111。井上は世界タイトルマッチ5戦目で初めてKO勝利を逃した。井上は最終回にダウンを奪って意地を見せた
昨年暮れの圧巻の初防衛戦から5ヵ月。オープニングでワンツーを放っただけで会場がどっと沸く。さらにワンツーが軽くヒットすると、KOフィニッシュを期待する空気が早くも会場中に充満した。
しかし、カルモナは簡単に攻略できる挑戦者ではなかった。ハンドスピードがあり、何より井上の強打を恐れず、勇敢にコンビネーションを繰り出し、予想通りディフェンスもよかった。実はこのとき既に右拳に異変の起きていた井上は足を使って距離をキープしながら出入りのスピードで勝負。カルモナのアタックは足とカバーリングで防いだ。
ボディを狙ったり、少し相手に攻めさせたりしていた井上が山場を作ったのは5回だった。右を決めて好機を作ると一気に畳み掛け、右ストレート、左フックを何発もヒットしたが、カルモナは打たれ強く、果敢に応戦。井上は6回も攻めて出たものの、挑戦者を崩すことはできなかった。
7回以降、井上は右パンチがめっきり減り、左だけで試合をコントロールしようと試みた。8回にカルモナに攻め込まれると、9回はジャブと左ボディーブロー、フットワークを駆使したボクシングにはっきりとシフト。10回以降、最小限に右を使った井上は、最終回にボディ攻めでカルモナを追い込み、怒涛の連打で攻め込むと、カルモナが自ら膝をついてダウン。しかし残り時間が少なく、立ち上がった挑戦者をKOすることはできなかった。
試合後、井上は2回に右拳を痛め、6回には強く打てない状態に悪化したこと、さらに左拳も痛めた事実を明かした。これで戦績は10勝8KO。大橋会長によると、3度目の防衛戦は前王者オマール・ナルバエス(亜)との対戦が有力。暫定王座決定戦を含めて3度目の世界挑戦も実らなかったカルモナは17勝6KO2敗4分。
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ボクシングニュース 2016年5月8日日曜日
八重樫東が2-1判定勝ち、IBF王座初防衛成功
IBF世界L・フライ級タイトルマッチが8日、東京・有明コロシアムで行われ、チャンピオンの八重樫東(大橋)が挑戦者11位マルティン・テクアペトラ(メキシコ)に2-1判定勝ち。初防衛に成功した。スコアは115-113、116-113で八重樫、残りが115-113でテクアペトラだった。八重樫(左)はうまさと激しさを出して競り勝った
WBAミニマム級、WBCフライ級、そして昨年暮れにIBF・L・フライ級を制して3階級制覇を成し遂げた八重樫の初防衛戦。八重樫は距離を取って慎重な立ち上がりに見えた。2回に挑戦者が右を決めて距離が縮まり、チャンピオンはボディ攻撃で対抗。八重樫は不用意に打ち合いに突入せず、足を使ってよく動きながら試合を組み立てたが、テクアペトラのジャブや右を不用意にもらうシーンも少なからずあった。
中盤に入っても八重樫は出入りのボクシングを意識し、タイミングを図ってスっと中に入ってボディーブローをまとめるなど、要所で効果的な攻めを見せた。6回には左ボディブローと右のコンビネーションが機能。挑戦者の右ストレートも断続的にヒットし、予断を許さない展開が続いた。
試合は終盤に進むにつ入れて打ち合うシーンが目立つようになる。標高4000メートルの高地トレーニングで鍛えたテクアペトラはスタミナが自慢。手数で迫る挑戦者に対し、八重樫は連打の回転スピードと相手を押し込むフィジカルの強さで対抗した。
10回に効果的な右を決めた八重樫は11回に激しく打ち合って会場を盛り上げる。引かずに打ち返すテクアペトラのパンチを浴びる場面も少なくなかったが、おかまいなしに最終回も攻め続けて終了のゴングを聞いた。
八重樫は24勝12KO5敗。リング上から「最初はいいところを見せようと思ったけど、自分はこういう試合しかできない。実力がないということ。もっと圧倒する試合ができるようにがんばります」とインタビューに答えた。世界初挑戦に敗れたテクアペトラは23勝15KO5敗。
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ボクシングニュース 2016年5月9日月曜日
八重樫東が左肩負傷、井上尚弥の拳は1ヵ月程度か
WBO世界S・フライ級王者の井上尚弥とIBF世界L・フライ級王者の八重樫東が9日、所属する横浜市内の大橋ジムで記者会見を開き、8日に有明コロシアムで行われた防衛戦について語った。井上は試合中に両拳を、八重樫は試合前に左肩を痛めての試合だった事実を明かした。八重樫は試合の3週間ほどまえに左肩関節の筋肉を損傷。左はフックとアッパーが打てない状態となり、スパーリングをせず、サンドバッグも打たず、ミット打ちだけで最終調整をして、試合には麻酔を打って臨んだという。
世界初挑戦の同級11位マルティン・テクアペトラ(メキシコ)に2-1判定勝ちで初防衛に成功した八重樫は「けがはつきものなのでしょうがない。左の感覚はやっぱりずれていたかもしれないけど、それは自分が招いたたこと。前にも右肩に麻酔を打って試合をしたことがあるので(ポーンサワン戦)そこまで不安感はなかった」と説明。アクシデントを乗り越えての勝利に「生き残ったのが救い。反省点だらかで、いろいろな点を見直していきたい」と安堵の表情を浮かべた。
一方、指名挑戦者ダビド・カルモナ(メキシコ)に大差判定勝ちした井上は、試合直後にも明かした通り、試合中に左右の拳を痛め、一夜明けたこの日も両拳が赤く腫れていた。これから病院に行って診察を受けるそうだが、「たぶん1ヵ月くらいで練習ができるようになると思う」と自己診断。珍しく顔にあざも作ったチャンピオンは「リードしながら無駄なパンチをもらったところが課題。今後に生きるいいキャリアにはなったと思う」と試合を振り返った。今後については「今年は防衛戦、統一戦をやりたい」と希望した。
両者ともにけがを負い、次期防衛戦は秋以降になる見込み。井上はオプションを持つオマール・ナルバエス(亜)との再戦が有力だ。なお、フジテレビ系列で放映されたダブル世界タイトルマッチの視聴率は平均で8.8%だった。
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