2016年2月9日火曜日

肩書きの取り合いより、本当に内容の濃い試合を

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Act Naturally  2015-12-30 18:19
■3階級制覇とは
 八重樫東(あきらと読むそうです)が29日のIBFライトフライ級の世界戦で勝ち3階級制覇を達成した。チャンピオンのハビエル・メンドサとの壮絶な打ち合いを制した試合はとても印象に残るものだった。プロのボクサーならこうでなきゃと思わせる勇敢さで、亀田興毅のずる賢い試合(試合ぶりだけでなくマッチメークもそう)と比べると違いが際立った内容だった。もっとも八重樫のディフェンスは甘くて必要以上のパンチをもらう傾向があり、これでは強打の選手とやると倒されてしまうのではと感じた。相手に打たせながら自分のパンチを決めるという、肉を切らせて骨を切る戦法が八重樫の真骨頂なのだが、そのやり方では限界があるのではと素人ながら思わざるを得ない。しかしそう思いながらも引き込まれてしまうファイトぶりは、プロボクサーらしさに溢れていて感動してしまった。
 八重樫はこれでミニマム級、フライ級、ライトフライ級の3階級の世界チャンピオンになった。これは少し前に引退した亀田興毅、現役の井岡一翔に続いて日本人3人目の快挙だと報じられている。井岡は八重樫と同じ階級を制したが、亀田は2つは同じだがミニマムの代わりにバンタムの王座を取っている。わたしはボクシングの専門家ではないからこの3階級制はがどのくらいすごいのかよく分からない。このあたりの超軽量級だと1階級ごとの体重差は3ポンドか4ポンドでキログラムで言うと1.3~1.8キロである。だから3階級制覇というと3キロちょっとの体重差で戦いチャンピオンになったということだがこの違いが意味するところが分からないのだ。ボクシング協会などは可能な限り同じ体重でやるのが公平だと言っているが、それはある程度は理解できるとしても、完全に同じ条件で戦うのはできないのだから、このくらいの体重差では同じ選手が上の階級に行ったり下に行ったりして、強い選手は上下の級でも勝てるような気がする。
 わたしが子供の頃原田や海老原が活躍していた時代は、フライ級、バンタム級、フェザー級と上がっていって8階級しかなかったように思う。今は17階級で、特に日本人が多いフライとバンタムの2階級では、ミニマム、ライトフライ、フライ、スーパーフライ、バンタム、スーパーバンタムの6階級になっている。階級が3倍になり、ボクシング団体も日本で公認されているのが二つ(WBAとWBC)から四つ(IBFとWBOが加わり)までになった。こうなれば世界チャンピオンになりやすい上に階級を超えてなることも容易な気がするのだ。だから3階級制覇などといっても白けた気がする。フライ級以外ではスーパーという一つ上の階級ができているだけなのだが、フライ級は上述のように4つに分かれている。これは日本人の世界チャンピオンを作りたいボクシング協会とテレビ局が上部団体に金を積んで出来たように感じるのはわたしだけだろうか。せめてフライ級も2つの階級に整理する必要があると思う。そうでないと世界戦のレベルが落ちてゆき結局ファンを失うことになるからだ。
 海外ではデラホーヤとかパッキャオといった選手が6階級制覇をしている。彼らは体重差約15キロ以上のところで戦い勝っていったのだから賞賛に値する。しかし日本人はもともと一つの階級であるところでの3階級制覇だ。それをあまり持ち上げるのは恥ずかしいだろう。針小棒大に騒ぐことに慣れきったテレビ局にそれを求めるのは無理なのだろうか。八重樫の試合を見る限り、彼の勝利が3階級制覇をではなくても見る方の感動のレベルは変わらないのだ。ボクシングファンとしてはつまらない肩書きの取り合いより、本当に実力のある選手同士の内容の濃い試合を見れればそれで良い。お粗末の典型のような亀田の具体例があるのだから、テレビ局もそれに学んで良い試合を放送して欲しい。

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ハゲザイルin豊中のブログ  2015年12月30日 (水)
IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ
 同級8位の挑戦者・八重樫東(32)が3-0の大差判定で、王者ハビエル・メンドサ(24)=メキシコ=を破り、3階級制覇を達成した。スコアは117-111、119-109、120-107。日本ジム所属選手の世界3階級は亀田興毅氏、ホルヘ・リナレス(帝拳)、井岡一翔(井岡)に続き4人目。
 WBA世界ミニマム級、WBC世界フライ級の2階級を制した八重樫はフライ級王座陥落後、1階級落としてライトフライ級に転向。昨年12月30日に、3階級制覇を狙ってWBC世界ライトフライ級王座決定戦に臨んだが、ペドロ・ゲバラ(メキシコ)の左ボディーを浴びて7回KO負け。引退の危機とも見られたが、
不屈の闘志で再起。5月、8月の前哨戦を連勝して今回、ライトフライ級での世界再挑戦のチャンスを得た。
 オーソドックススタイルの八重樫に対し、王者のメンドサはサウスポー。好戦的な両者の一戦は、序盤からリング中央での打ち合いとなり、2回終了間際には八重樫が右ストレートで王者をぐらつかせる。5回にはパンチでPhoto_6王者の左目上を切り裂いた。その後も八重樫は、24勝中19KOを誇り“コブラ”の異名をとるメンドサの強打を恐れることなく、右ストレートを打ち込む。11回終盤には左右フック連打で王者にダメージを与え、最終回も右フックでKO寸前に追い込んだ。両目を大きく腫らしながらも、有効打で圧倒した“激闘王”八重樫が判定を制した。
 昨年末の屈辱を晴らした八重樫は勝利のコールを受けると、11月に死去した祖母・清水ヨリさんの写真を掲げて号泣。その後、妻と3人の子どもがリングに上がると、ようやく笑顔が浮かんだ。「勝てました~」の第一声に続き「昨年の年末、ボクシングをやめようかと思ったのですが、家族の(現役続行)賛成、みなさんのまだ見たいという声援があり、こうして世界のリングに戻ってくることができました。ありがとうございました」と大声援に感謝した。
≪ ハゲザイルの目 ≫
 勝った八重樫は中盤の劣勢をよくひっくり返した。敗れたメンドサは最終ラウンド、倒れそうになりながらも必死で最後まで持ち堪えた。試合後のハグだけではなく、新チャンピオンとなった八重樫の手を挙げ勝利を称えた。観る者を熱くする闘いは試合後、より感動的で爽やかにさせる素晴らしいものだった。

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