岩手日報 2020.11.15(日)朝刊1面 風土計
プロボクシング界に世界三階級制覇の足跡を残した八重樫東さんは黒沢尻工高入学時、バスケットボールをやろうと思たが、入部希望者があまりに多く断念したという▼そのバスケ。八重樫さんと同年生まれ(学年は一つ下)の元プロ選手2人が高校教師として、指導者の道を歩む。母校盛岡南高を率いる斉藤資監督と大東高の指揮を執る新井靖明監督▼ボクシングに転じた八重樫さんが8強入りした1999年岩手インターハイ。1年の斉藤さんはベスト16入りした。東京の中学から名門能代工高(秋田)に進んだ新井さんは翌2000年から全国2連覇。3年時の1試合73得点は今も伝説だ▼ともに日体大に進んだ2人は寮も相部屋だった。卒業後、斉藤さんはbjリーグ大阪で1季プレー後Uターンして母校の教員に。新井さんは同リーグの埼玉・仙台で5季過ごして14年、妻の郷里岩手へIターン▼2人のバスケ人生が再び交差した。先月斉藤さんは母校を県王者に導き、2度目のウインターカップ切符を獲得した。指導者の実績で一歩先を行く▼新井さんの大東高は部員3人の小所帯。合同チームで臨んだ新人戦は地区予選で敗退した。辛酸をなめてなお「今いる場所でベストを尽くす」。過去の栄光と決別した指揮官に願う。いつの日かbjリーガー監督対決を見せてほしいと。
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