タフな八重樫東の初回KO負けはショッキングだった

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japan boxing commission  ボクシング広報7月号
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表紙の言葉
具志堅二世・比嘉大吾
13戦全KO勝利で世界掴む

　5月21日と22日に有明と名古屋で開催された6大世界戦は日本勢の4勝2敗で幕を閉じた。
　戦前の予想通り、圧勝でV5に成功した井上尚弥は一夜明け会見で「9月９日、ラスベガスでビックマッチ出場」を発表。シーサケット・ソールンビサイ対ローマン・ゴンサレスの再戦と同じリングに登場することが明らかにされた。当日はカルロス・クアドラスやファン・フランシスコ・エストラーダも出場を打診されており『スーパー・フライ・カーニバル』として開催される予定。
　タフな八重樫東の初回KO負けはショッキングだったが、田中恒成は最大の難敵アンヘル・アコスタを堂々撃破し、拳四朗もガニガン・ロペスとのクロス・ファイトを僅差で制し、WBCの緑のベルトを腰に巻いた。
　判定に物議を醸した村田諒太とアッサン・エンダムの世界戦。村田はダウンを奪い、何度もエンダムをロープまで吹っ飛ばす強打を叩き込んだが1-2で敗れた。WBAは異例の再戦勧告を出し、エンダム有利とした2名のジャッジは6カ月の資格停止処分を受けた。
　村田にとって1度の敗戦の意味は重い。意気消沈しているかと思いきや、世界戦から10日後、ジムに姿を現した村田の顔は生気に満ちていた。BS放送でのインタビューで「試合前に予想していた最悪の結果はおかしな判定で（村田が）勝つこと。試合結果に対しては非常に残念。でも個人的には残念だという気持ちはあまりない。むしろ自分の可能性を信じられる試合だった」と胸を張る。
　初の世界戦を迎えるにあたり「自分に対する評価が半信半疑だった。世界の一流に対して自分のボクシングがどこまで通用するのか」。それがエンダムという一流選手に対し、互角以上の戦いをすることができ、自信を深めたという。「初めてプロとしての試合ができた。（中略）くじけず、立ち上がる」と語る瞳の輝きは敗者のそれではない（6月17日発表のWBAランキングで村田は1位へと上昇している）。
　表紙は会心のKO（13戦全KO勝ち）で沖縄に平仲信明以来、25年ぶりに世界タイトルをもたらした比嘉大吾。実力派王者のファン・エルナンデスに挑み、戦前の不利予想を跳ね返し、豪快に6度も倒しまくり、勝利の雄叫びを上げた。これで白井・具志堅スポーツジムは22年目（1995年設立）で初の男子正規世界王者が誕生した。
「わんやカンムリワシにないん（自分はカンムリワシになりたい）」と具志堅会長が世界を獲った時に語った名台詞を再現した新王者。勢いそのまま世界王者として連続KO勝利の日本記録更新を目指してもらいたい。
（デザイナー・周東良次）
■ 巻頭言:アメリカでの世界戦

WBA世界ミドル級王座決定戦
村田、ダウンを奪うも判定に泣く！
WBC世界フライ級タイトルマッチ
比嘉、13連続KO勝利で世界王座奪取！
WBC世界ライト・フライ級タイトルマッチ
拳四朗、僅差判定勝利で親子の夢を叶える
WBO世界ライト・フライ級タイトルマッチ
田中恒成、最強挑戦者を判定で降しV1
WBO世界スーパー・フライ級タイトルマッチ
井上尚弥、指名挑戦者を圧倒してV5
IBF世界ライト・フライ級王座統一戦
八重樫、王座統一できず初回に散る
WBO女子世界ライト・フライ級王座決定戦
小澤、後半追い上げるも王座獲得ならず
WBO女子世界ミニ・フライ級王座決定戦
江畑佳代子、６度目の挑戦で悲願達成
OPBF東洋太平洋ヘビー級タイトルマッチ
藤本、TKO勝利で初防衛に成功
OPBF東洋太平洋ライト・フライ級王座決定戦
死力を尽くした一戦はドロー、王座は空位のまま
■ TOPICS
◆林有厚前コミッショナー逝去
◆土屋末広レフェリー逝去
◆山中が京都でV13戦
◆三浦隆司が世界挑戦
◆亀海がコットと王座決定戦
◆田口と京口が大田区総合体育館で世界戦
◆東京試合役員会議事録
◆新ジム開設
◆退会届
◆移籍届
◆リングネーム変更届

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