ボクサーが欲しいのは 自己実現 なりたい自分の姿

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佐々木基樹選手のブログ　2017年05月08日(月)
腹いっぱい。幸せではない。
あれから48時間しか経っていないなんて、全く信じられない。
はるか昔の出来事のように感じる。
腹は、満たされた。
けれど、何も、満たされちゃいない。
腹減ったのなんて、俺にとってごくごく小さいこと。
……。
何度でも出そう。
マズローの五段階欲求説。
生理的欲求
安全欲求
社会的欲求
尊厳欲求
自己実現欲求

人はまず本能的に生きることに必要なものを欲し（生理的欲求）、次にその安全を欲し（安全欲求）、それが済むと今度は社会的に帰れる場所を求め（社会的欲求）、社会と関わりができると今度はそれに認められたいと願い（尊厳欲求）、最後にあるべき自分の姿・なりたい自分になることを目指す（自己実現の欲求）。
下から順にしか積み上がらないとされているけど。
それはボクサーには当てはまらない。
食えなくてもいい、水飲めなくてもいい、安全どころか最も危険な場所にいて、社会との繋がりなんていらない、認めない人がいたって構わない。
とにかくあるべき自分でありたいんだ。
なるべき自分になりたいんだ。
その自己実現欲求は、他の全ての欲求を凌駕（りょうが）する。
それが、ボクサーの姿なのだ。
……。
今、食いたいものが食いたいだけ食える。
いくらだって食える。飲める。
「すごくいい試合でした」と褒めてくれる人もいる。
けれど、ボクサーが欲しいのはたった１つ。
自己実現。
すなわち。
勝利。
腹がいっぱいだろうが、安全だろうが、人から認めらようとられまいと。
なりたい自分の姿。
ボクサーが欲しいのは、このたった１つなのだ。