2017年3月4日土曜日

まだ復帰は決めてないが、こんな試合を見せつけられてウズウズ…

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スポーツ報知 2017年3月3日10時30分
内山高志が見た山中慎介のすごさ「突然ストレート」「目のフェイント」
◆報知新聞社後援 プロボクシング「ワールドプレミアムボクシング」▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○山中慎介(7回TKO)カルロス・カールソン●(2日、東京・両国国技館)
 前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(37)=ワタナベ=が、スポーツ報知に観戦記を寄せ、山中慎介(34)=帝拳=のすごさを絶賛した。自身の11度防衛を抜き、国内歴代単独2位のV12を達成した後輩王者の強さに、“KOダイナマイト”が迫った。
 山中の左ストレートには、世界最高レベルの技術が凝縮していたとあらためて感じた。スーッと力まずに出して、まともにバチっと当てる。これはすごく難しい。一見して単純なワンツーの中には、相手をTKOへと導くワナがたくさんちりばめられている。絶妙な距離感だったり、心理的なフェイントなど、ささいな動作だが、そこに至るまでの技術は非常に高度だった。
 山中の左がヒットする秘密を話すと、「ちょっとした目配せ」がその1つ。1回の左ストレートで挑戦者がビビッて、ある程度の実力差を見抜いていた。2回にはヒッティングでまぶたを切った挑戦者が、顔へのパンチを警戒するようになった。そこで3回は顔ではなく左ボディー。これで挑戦者も注意力が散漫になった。そこで山中の目線を追うと、相手の下、腹の当たりをチラチラと見ているのが分かる。見られた方にとっては本能的に「打たれる」と思ってしまい、攻撃できなくなった。この時点で僕はKOで勝つなと分かった。
 もう一つ。世界戦をほぼワンツーだけで倒し切る強さの秘密は距離感だと思う。もともと、センスはあるが、防衛を重ねるごとに自分だけの距離感を身につけたのだろう。相手の打ち終わりに出すパンチのスピードが速く、破壊力もある。たとえ半歩後退していてもグンと伸びてくる。自分に一番、居心地の良い距離に誘い込みガツっとやる。だから、相手は気がついたら目の前にパンチがあるという状況に追い込まれてしまう。
 具志堅さんのV13超えは普通に達成するだろう。ファンの誰もが認める強敵とやり合い勝てば、価値もグッと上がると思う。連続防衛を重ねていく中で最も怖いのが「慣れ」。僕もパンチ力には自信があったから、「おれのワンツーはよけられないだろうな」「当たれば倒れるはずだ」と思う時期があった。どんなに気をつけても、そんな魔物のような慢心みたいなものが出てくる。慣れちゃいけない、最初のタイトルマッチのような感覚でやろうと思っても自然と出てきてしまうものだ。防衛回数を重ねれば当然、研究もされる。山中もそうだろうが、勝つために自分のスタイルを変えるようなことはしない。むしろ打ち終わった後のガード、バックステップと、基本に忠実になるよう心がけるようになるものだ。
 僕はまだ復帰するかは決めてない。ただ、こんな試合を見せつけられてウズウズしないヤツはいないと思う。
 ◆世界最多は 1937年にヘビー級王者となったJ・ルイス(米国)の25連続防衛が世界最多。現役ではWBA、WBC、IBF3団体統一ミドル級王者のG・ゴロフキン(カザフスタン)の16度連続(全てKO)が最多となっている。

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