2016年12月29日木曜日

あす30日絶対王者・激闘王・メダリスト

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サンスポ 2016.12.29 11:00(1/2ページ)
怪物・井上尚弥&激闘王・八重樫東のダブル世界戦 あすゴング! ボクシングフェス2016
 「ボクシングフェス2016」はあす30日、注目のゴングが鳴る。怪物・井上尚弥、激闘王・八重樫東の両チャンピオンのダブル世界戦に加え、村田諒太、清水聡のロンドン五輪メダリストコンビも参戦。夢の競演と呼ぶにふさわしい一夜になりそうだ。試合の模様は30日午後6時からフジテレビ系で生中継される。

絶対王者への道に続く怪物・井上尚弥のV4戦
 「ボクシングフェス2016」のメインを張るのは、いま現役日本人世界チャンピオンで最も光り輝き、世界的にも注目を集めているWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)。アマチュアボクサーだった父・真吾さん(45)の指導で頂点に立った若き怪物だ。
 父の影響で小学1年生からボクシングをはじめ、神奈川・相模原青陵高校時代には全日本選手権優勝などアマチュア7冠を達成した。プロ入り後は圧倒的な強さから「モンスター」の異名をとり、当時の日本記録となるプロ6戦目で世界タイトル(WBC世界ライトフライ級王者)を獲得。現在もトレーナーを務める真吾さんとスターへの階段を駆け上がった。プロデビュー後の戦績は11戦11勝(9KO)と無敗を誇り、あまりの強さに対戦を希望する相手から逃げられることもしばしば。具志堅用高氏が持つ世界王座13連続防衛の日本記録の更新を期待される敵なしの王者だ。
 4度目の防衛戦となる今回の挑戦者は、元WBAスーパーフライ級王者の河野公平(36=ワタナベ)。同王者だった昨年10月、不利との下馬評を覆して亀田興毅元選手に勝ち、“引導”を渡したガッツあふれる雑草型ボクサーだ。今年8月に王座から陥落したとはいえ、世界の強敵と互角に渡り合ってきた豊富な経験があり、油断できる相手ではない。
 それでも井上は「河野さんはタフでスタミナがあり、キャリアもあるけど、何もさせず、一方的に自分のボクシングをしてKOで勝ちたい。ボクシングをあまり知らない人にも、見ておもしろいな、と思わせたい」。これまでの謙虚でさわやかなイメージを脱ぎ捨て、不敵に言い放つ。
 圧倒的に勝たなければならない理由がある。この一戦の先には、世界のボクシングファンからビッグマッチを熱望されている。9月にWBC世界スーパーフライ級王者となり4階級制覇を成し遂げたローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)との対決だ。パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強選手)の呼び声が高い「ロマゴン」は、46戦46勝(38KO)の生ける伝説。井上との新旧怪物対決が実現すれば、軽量級「真の世界一」を決めるドリームマッチになる。
 ロマゴンが4階級制覇した試合を米国のリングサイドで観戦した井上は、現地のテレビ中継で大写しにされ、ファンからサイン攻めにあうなど本場でも認知されている。井上自身も心待ちにする大一番のためには、河野とのV4戦に負けるわけにはいかない。
 「この試合がその第一歩へのカギになると思う。ここでいい試合をできれば、来年も変わってくる」
 日本を代表するチャンピオンから、世界を代表するチャンピオンへ。今年を締めくくる試合は、絶対王者への道に続いている。

“美女軍団入り”した激闘王・八重樫東はV2戦
 精悍な井上尚弥とは対照的に、岩手県出身の八重樫東(33=大橋)からは東北人らしい温厚な人柄がにじみ出る。1男2女の父でもあるIBF世界ライトフライ級チャンピオンは、決戦を前にしても家族への思いを語る。
 「年末なのに申し訳ない。自分は仕事として一生懸命やらないといけない。大きな舞台でやらせていただけるのは本当に幸せなことだから。終わったら家族と一緒に過ごしたい。田舎にも帰ろうと思う」
 先日、芸能事務所の「プラチナムプロダクション」との専属マネジメント契約を発表した。今フェスのMCを担当する中村アンさんをはじめ、トリンドル玲奈さん、おのののかさんらが所属する美女ぞろいの同事務所が、プロボクサーと契約するのは初めてだ。「名王者であることに加えて家族愛にあふれた素敵なお父さんというところ」がオファーの理由だった。
 「女性がいっぱいいるなかで、何で自分なんだという疑問はあって。まあ、何かあるから選んでいただいたと思う。お気持ちに沿えるような活躍ができれば、ボクシング界にもいろんな人が目を向けてくれる。ボクシングを知らない人が、ボクシングを見てみようと思うきっかけになればいい」
 老若男女に愛され、よき父親像を体現する八重樫は、照れながら“美女軍団入り”を振り返るが、リングに上がれば人格はガラリと変わる。昨年末に現タイトルを奪取し、日本選手としては3人目となる3階級制覇の偉業を成し遂げた。打たれても、打たれても、逃げずに打ち返す姿からついた愛称が「激闘王」。パンチで顔が腫れあがっても前へ出るタフなスタイルは、ボクシングファンの熱い支持を得ている。ともに敗れはしたものの、井岡一翔やローマン・ゴンザレスとの激しい打ち合いは語り草だ。
 2度目の防衛戦の相手、サマートレック・ゴーキャットジム(タイ=32)は好戦的なファイター。すさまじく両者のパンチが飛び交う展開が予想される。
 「ぼくは若くはないし、次があるわけではない。今年は自分個人としてはパッとしない感じが続いていたので、最後は終わりよければという形でしっかり締めたい。年末にたくさんある世界戦の中でも八重樫の試合が面白かったといわれるようにしたい」
 激闘王らしい戦いを制する自信にあふれている。

ロンドン五輪「金」の村田諒太は世界前哨戦
 井上、八重樫のダブル世界戦の前には、ロンドン五輪「金」の村田諒太(30=帝拳)、「銅」の清水聡(30=大橋)のメダリストコンビがノンタイトル戦で登場する。
 WBO世界ミドル級王者、ビリー・ジョー・サンダース(27=英国)に来春にも挑戦する計画が浮上している村田は、元WBC米国同級王者のブルーノ・サンドバル(25=メキシコ)と対戦。プロ12戦目は日本では昨年5月以来のファイトになる。「前へ出て、プレッシャーをかけ、相手が嫌になるほど打つ。途中で終わってくれればいい」。念願の世界挑戦を大きく引き寄せるためにKO勝ちを宣言した。
 一方の清水はプロ2戦目。相手は10月に元東洋太平洋王者の実力者、天笠尚(31=山上)に判定で敗れたものの善戦したカルロ・デメシーリョ(20=比)。気心が知れた村田の前にリングに上がる清水は「勝って村田にプレッシャーをかけたい。(KO勝ちした)デビュー戦よりいい試合ができると思う」と快勝を誓う。

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