2016年4月18日月曜日

WBO・IBF加盟3年 日本ボクシングコミッション

20160417読売新聞
ボクシング4団体で活気
WBO・IBF加盟3年

日本ボクシングコミッション(JBC)が、世界ボクシング機構(WBO)と国際ボクシング連盟(IBF)を含む主要全4団体に加盟してから3年がたった。ファンの関心を呼ぶカードが増えた上、懸念された王者乱立には至らず、関係者らには好意的に受け入れられているようだ。
 JBCはそれまでの世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)に加え、2013年4月にWBO、IBFに新規加盟した。両団体とも実績のある王者を擁するなど国際的な評価は高く、4団体加盟は世界的な流れでもあった。
 国内ジムに所属する男子選手(以下日本選手)では、この3年でWBOとIBFの新王者が計6人誕生。しかも、数々の記録が樹立された。井上尚弥(大橋)はプロ8戦目で、2階級制覇。WBOミニマム級王座を獲得した田中値成(畑中)は、日本最速の5戦目で世界王者に。高山勝成(仲里)も、同級全4団体を制覇。八重樫樫東(大橋)は、IBFライトフライ級王者となり、3階級制覇を果たした。来月には、井上と八重樫のダブル世界戦が予定されるなど、両団体は確実に浸透している。

好カード増 王者乱立は回避

 両団体加盟にあたって心配されていたのは、世界王者が乱立し、王座の価値が下がること。13年4月の時点で日本選手の世界王者は、史上最多タイの9人。15年12月に12人まで増えたが、現在は9人に落ち着いた。
 両団体加盟を働きかけた日本プロボクシング協会の大橋秀行前会長は「ふさわしくない世界王者は1人もいない。乱立ではない」と分析する。
 王者がそれほど増えなかったのは、世界挑戦の機会が、あまり増えていないからだ。両団体に加盟する直前の3年間(10年4月~13年3月)に34試合だった日本選手の世界挑戦と王座決定戦は、加盟後は36試合。

統一戦実現少なく

理由の一つは、国内で世界戦に挑戦できる選手を、日本、東洋太平洋、世界の各王者経験者か、団体に指名された挑戦者に限定したこと。帝拳ジムの浜田剛史代表は「(力が)本物と認
められないと挑戦すらできない」という国際的な傾向が高まっていると指摘する。
 一方、「誰が最強か」というファンの期待に応える王座統一戦は、ファイトマネーやタイミングなど興行上の要因で、さほど行われていない。実力も知名度も高い王者同士の対戦が実現
すれば、4団体加盟がより一層、意義のあるものとなる。

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