2016年4月22日金曜日

リーグ戦の記憶

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サンスポ 2016.4.21 18:34
大橋秀行・リーグ戦の記憶
 「150年に1人の天才」「フェニックス」「リカルド・ロペスと戦った男」「日本人世界挑戦21連続失敗をストップした男」「ライト級に匹敵するパンチ」等、多くのニックネームを持ち、全国U-15ジュニアボクシング大会設立にも尽力、前日本プロボクシング協会会長、大橋ボクシングジム会長・大橋秀行氏。そんな大橋会長が、約30年前に専修大学の学生として関東大学ボクシングリーグ戦にて、後楽園ホールのリングに上がっていたのを知っているだろうか。第69回関東大学ボクシングリーグ戦開幕前に、当時の記憶を語ってもらった。

--専修大学ボクシング部時代の記憶
 「当時のリーグ戦は8オンス、ヘッドギアーなし。高校生の時は10オンス、ヘッドギアーありだったので、グローブが小さくなり、パンチが当てやすく、KO・RSCが増えた。プロはさらに6オンスとなって小さかったので、グローブが小さくなるにつれて私はパンチが当てやすかった。大学1年生で中退したが、リーグ戦は3戦全勝、全RSC勝ち。大学時代の戦績は11勝10RSC勝ち。負けたのはロサンゼルスオリンピック選考会で黒岩悟選手に敗れただけ。黒岩選手とは、スパーリングではいい勝負だったが、試合では完敗した。あまりに完敗だったので自分もビックリした。高校を卒業してすぐに大学リーグ戦に出場する1年生と4年生では、大人と子どものように体格、パワーが違った印象がある。当時の専修大学は1部リーグに所属しており、私が1年生の時の結果は1部リーグ最下位だった。日大と戦った時は1対8で私しか勝たなかった」

 「1部リーグ最下位ではあったが、練習は厳しかった。名門・横浜高校ボクシング部で厳しい練習をしてきたが、さらに厳しかった。加えて、大学1年生という最下級生のため雑用もこなした。専修大学「生田寮」の部屋は、1部屋には二段ベッド2台、各部屋、1年生から4年生、各学年4人が生活していた。朝6時に起床、「おはようございます。起床お願いします。」と各部屋の上級生を起こして、ロードワーク。夕方のジムワークは16時から18時までみっちりだった」

 「当時は携帯電話もポケベルもなく、寮にある公衆電話は1台しかなく、他の部員が使っていてなかなか使えない。19歳から交際している当時の彼女で、今の妻とも電話で待ち合わせ場所を決めて、約束した場所で待っていてもらった。部屋にスピーカーが付いていて、部員あてに電話が寮にかかってくると、部屋のスピーカーで呼び出された。専修大学1年生の時の4年生には、レスリングの馳浩先輩・現文部科学大臣やスピードスケートで有名な黒岩彰先輩がいた」

--関東大学ボクシングリーグ戦出身ボクサーについて
 「私が大学生の頃は、大卒からプロボクサーに転向するのは年齢的に遅かった。今では、選手寿命も延びて、大卒からプロ転向しても「新人」という感じだ。リーグ戦のトップ選手はプロと比べてテンポ・スピードが違う。3分3ラウンドだと、プロも圧倒されてしまう。しかし、それ以降はガクンとアマチュア選手はスピードが落ちる。プロでやっていく場合はプロ仕様の練習が必要だ。拓大からプロ転向した八重樫東(現IBFライトフライ級チャンピオン:大橋ジム所属)はジムに来た時からプロ仕様となっていた。きっと普段からプロを意識した練習をしていたのだろう」

--アマチュアボクシングについて
 「昔の日本人ボクサーは、南米の選手の「輝き」を消して勝負するしかなかった。例えば、打たれ強さであったり、連打であったり、スタミナであったり。つまり、日本人ボクサーがメキシコの選手にテクニックで勝ることはなかった。今はアマチュア出身のプロボクサーがテクニックでメキシコの選手に勝ることがある。私の頃は信じられないことだ。今の日本人世界チャンピオンはほとんどアマチュア経験者だ。それはやはり「全国U-15ジュニアボクシング大会」による競技の若年化によるところは大きい。当然、子ども達を後楽園ホールのリングに上げることに対しての安全面などは、相当の配慮をして運営している」

 「どうしてメキシコの選手などがテクニックで日本人を圧倒していたのかを考えると、小さいころからボクシングをやっているからで、他のスポーツもテクニックについてはある程度、時間に比例すると思っている。今では「全国U-15ジュニアボクシング大会」経験者が高校からアマチュアボクシングを始め、高校1年生からインターハイチャンピオンになっている。今後はさらに、そのような選手が増えると思う。2020年東京オリンピックが楽しみだ」

--関東大学ボクシングリーグ戦の学生について
 「私はプロでやっていくという覚悟を決めて大学を中退したが、せっかく大学に入学したのだから、目標もなく中途半端に中退するよりも、授業にちゃんと出て卒業して欲しい。大学を卒業したほうが社会に出たときの選択肢が多いのだから。これが、私から学生に贈る言葉だ」

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