2016年3月10日木曜日

真っ向打ち合いを挑む

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リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論 2015-12-30 23:00:49
12・29有明観戦記
大晦日はとても会場に足を運べる状況で無いので、年末最後の生観戦で有明コロシアムに行って参りました。この時期の開催ではとにかく寒いという印象しか無かった会場ですが、暖房がちゃんと効いていて(この部分では)快適に観戦出来ました。鬼塚vsカストロやウィリー・ホーリンvs佐藤修の時と比べれば隔世の感があります(大袈裟)。
パンク・ロッカー氏やタイソンしんごさんなどと会場外で挨拶。higegeさんのブログのコメント欄での常連である達人先生達と観戦。会場の中では当ブログのコメンターである太陽と海さんとも初めてお会いさせて頂きました。WEBでやり取りしてる方とリアルにお会い出来るのもブログをやり続ける醍醐味です。
会場の入りは6割強位かな。ただ、最近は最上部など一部の席をブロック毎に暗幕で覆ってしまうのに対して、今回は久々のほぼフル仕様だから多少はバラけてしまったのかも。ビジョン画像の画質の良さや照明の使い方などはさすがテレビ局だと思いましたが、休憩時間位は周囲を明るくしてくれよ、パンフレットすら読めやしない。あと休憩中位は音楽止めてくれ。
第一試合に井上兄弟の従兄弟にあたる和樹が登場。インドネシアの選手にあっさりKOデビュー。観客の前で自信を付けさせるための様なマッチメイクですが、尚弥、拓真同様にみっちりとアマ経験を積んでるだけあって、緊張した素振りも無く、動きもスムーズ。Sライトという難しい階級でのスタートだが上手く育てて欲しいものです。
予備カードも2試合行われ、1勝(1KO)5敗の山崎新記(銚子)が、かべりーん祐耶(駿河男児)を破った番狂わせも面白かったです、かべりーんのリーゼントも和氣以上で衝撃でした。
松本亮はフィリピンの選手に2RでKO勝ち。世界云々の前に実力測定出来る日本人と戦って欲しいなあ。過去に久高とやってるものの、バンタムで世界を狙うなら大森とか赤穂との対戦は必要だろう。岩佐には早いかなあ。
そして、最注目の日本フェザー級タイトルマッチ。細野vs下田ですが、5R終了時の公開採点で試合の趨勢が決まってしまった気がします。前半5Rは微妙な内容のラウンドはあったものの個人的には下田やや優勢かなと考えていたのですが、2-1ながら細野有利。
これで影響されたのか、下田がよりアグレッシブになって細野の真正面から打ち合いを挑んでしまうシーンが増えてきます。そもそも下田は前半飛ばして、後半に逃げ切りというパターンが多く、大体、拙戦をしてしまう場合はガス欠など、後半にツケが回ってきてしまうことがあります。一方、細野は前半エンジンのかかりが遅いが、後半追い上げタイプ。
案の定、体力に任せてゴリゴリと圧してきて、クリンチも厭わぬ試合ぶりで下田のスタミナを奪ってきます。そして2-1ながら終わってみれば細野の試合という印象でした。
終盤には減点もあり、良くても引き分け。正直、下田の勝ちは無いと思いました。今後の二人の動向は未定ですが、勝った細野にしても4度目はあるのか、微妙なところです。なんせ、王者が強過ぎる階級ですからねえ・・・ロマチェンコ、ラッセルJr、リー・シェルビー、サンタクルスにクエジャルですから何処を見ても怪物ばかり。どうせなら一番強い王者に挑んで欲しいな、ロマチェンコとか。
そして、下田・・・引退しないでくれと無責任なファンの立場からは言わせていただこう。
OPBFのSフライ級タイトルマッチでは井上拓真がレネ・ダッゲルに淡々とした試合で大差の判定勝ちでV1。スピードも技術もあってソツが無い、しかし、何かが足りない。まるで一方的なスパーリングに見えてしまい、残念ながら温まってた会場が若干冷えてしまいました。
次は安易に上へ行く前に日本王者の石田とか江藤光等と戦って欲しいです。冷静な拓真の感情を昂ぶらせ、震わせる様な相手との試合こそが必要な時期ではないでしょうか。
ももクロなどのステージは割合。ペンライトを持ってる人達はファンもいるのでしょうけど、フジテレビ・クラブの皆さんじゃないのか?アーティストはそりゃ一生懸命だろうけど、場違い感は如何ともし難い。ももクロ雇う予算があるなら、もう一試合タイトル戦組めるでしょうよ。高いお金を払ってるエリアの方達は完全に白けきってました。盛り上がってる様に見えてましたけど、ボクシング会場の熱では無い。完全不要(断言)。

そしてダブル世界戦。まずはハビエル・メンドサvs八重樫東のIBF世界ライトフライ級タイトルマッチ。
骨格のフレームの違いを感じたものの、真っ向打ち合いを挑む八重樫にハラハラし通し。
後でテレビ録画してた映像を見直してるときに、サウスポーがもともと苦手だったとの解説があり、だから前半~中盤は接近戦で打ち合ったのかなあと思い直しました。距離を潰してサウスポーの利点を潰すのは定石だし。そして9Rからはサイドへの動きが出てきてメンドサを翻弄。
これも録画観戦時に今回、野木トレーナーが付いてるという情報があり、そう言われれば内藤っぽい動きが散見されるなあと思い直しました。
ポイントは大差3-0で判定勝ちですが、メンドサも下半身のバランスが悪いながらも左で八重樫を何度か追い込んでおり、ポイント以上にダメージ面では競っていたかも知れません。八重樫はファンのためを言うなら、十分に打ち合いや激闘を見せてきたので今後は本来のアウト・ボクシングに磨きをかけて打たせないスタイルに特化してもいいのでは。具体的にはエドガル・ソーサ戦みたいな試合展開希望です。

八重樫の「本当の」3階級制覇の余韻冷めやらぬ場内で、更に会場を震感させたのが井上尚弥。
ウォーズ・カツマタことワーリト・パレナスを相手にせず、2RTKO勝ち。
一年振りの復帰戦だし、相手は日本でも散々強打を奮ったパレナスだし、辰吉vsラバナレス1戦目の展開を心配した人も多かったのではないでしょうか。私もそうでしたが完全に取り越し苦労に終わりました。
最初のコンビネーションだけで会場がどよめく。他の同世代達と比べても明らかにモノが違う。
そして2R。一度目のダウンで勝負は決まっていたのでは。ダウンさせたのはガード上からの右ですが、その前に放った左フック→右ストレートのコンビネーションで効いてた様に思えます。パレナスの足はもつれ、目はうつろ。再開後の2度目のダウンは蛇足でした。
井上もアメリカからオファーを受けてるとのこと。youtubeの影響もありますが、これだけ日本発のボクサーが海外で注目を受ける時代が来るとは夢にも思いませんでした。井上のみならず、内山や山中など日本には歴代で評価してもスーパーな王者が輩出されており、質的には黄金期と言ってもいいかも知れません。そんな時代だからこそ、地上波やマスゴミのオモチャにされず、本当に価値ある舞台へ飛び出してもらいたいものです。
所詮はパッキャオやメイウェザーの存在ですら、5月にやっと知った様な人が多い島国に留まるよりも彼らにはもっとグローバルな舞台で活躍して欲しいものです。来年は大晦日に捕らわれずに大きな試合が頻発してればいいですね。

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