2016年1月19日火曜日

「誰」と「誰」が拳を交えるか

http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/keiba_fight/2016/01/18/2016_1/
Sportiva 2016.01.18
内山高志、山中慎介が伝説に。2016年、ファン待望のカードは?
2016年の日本ボクシング界を占う@後編
 現在、9人もの世界チャンピオンを擁する日本男子プロボクシング界。彼らは1年間で2~3試合ほど戦うため、次から次へと世界戦が行なわれている印象が強い。そのなかでも特に注目したいカードはどんな組み合わせなのか――。2016年に実現しそうな世界的ビッグマッチ、そしてファンが待ち望む対戦カードを紹介する。
「バンタム級で敵なし」と高い評価を受ける山中慎介
「来年は、ボクシング人生でもっとも変化の大きな1年になる」
 WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者(※)の内山高志(36歳/ワタナベ)は、昨年末にそう語った。そんな内山の次戦の対戦相手とウワサされるのが、元WBA世界フェザー級スーパー王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)だ。
 27戦 26勝(21KO)1分のレコードを誇るウォータースは、2014年10月には世界5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)にKO勝ちするなど、”アックスマン(斬首人)”の異名を誇るハードパンチャー。内山は具志堅用高の持つ世界王座連続防衛の日本記録13回にあと2つと迫るが、「勝てそうな選手だけと戦って更新する記録には価値は見出せない」と断言するだけに、申し分ない対戦相手だ。
※スーパー王者=世界王者より上位のポジションとして、組織団体が協議により認定した称号。
 昨年11月にラスベガスで行なわれ、多くの米メディアが「年間最高試合」に選出した三浦隆司(31歳/帝拳)とフランシスコ・バルガス(メキシコ)とのWBCスーパーフェザー級タイトルマッチ。この試合で三浦は残念ながら敗れたが、リターンマッチが実現すれば大きな話題となるのは間違いない。また、その勝者と内山が統一戦を行なえば、待望のビッグマッチとなるだろう。
 内山が属するスーパーフェザー級に近い階級には、3階級を制したユリオルキス・ガンボア(キューバ)や、北京五輪とロンドン五輪で金メダルを獲得したワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)など、錚々たるビッグネームがひしめいている。2016年はどんなカードが組まれるのか――。”ノックアウト・ダイナマイト”の異名が世界中に響き渡る1年になることを期待したい。
 一方、内山と並んで世界から注目を集めるWBC世界バンタム級王者の山中慎介(33歳/帝拳)の次戦は、「WBA同級スーパー王者ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)との統一戦では?」と囁(ささや)かれている。ただ、山中はすでにバンタム級で9度の防衛に成功しており、今の同階級には敵なしと見る者も多い。WBCからも「階級を上げてはどうか?」と打診されたとの情報もある。
 その1階級上のスーパーバンタム級には、WBOの王座に世界5階級制覇王者のドネア、さらに元WBA・WBO世界スーパーバンタム級王者で16戦16勝(10KO)のギレルモ・リゴンドウ(キューバ)がいる。また、亀田家の三男・元WBO世界バンタム級王者の亀田和毅(24歳/亀田)もスーパーバンタム級への転級を宣言している。ファンがもっとも期待しているのは、やはり山中が所属する帝拳ジムの先輩・西岡利晃が敗れた因縁の相手――、ドネアとのラスベガスでの対戦ではないだろうか。
 また、WBA王者の田口良一(29歳/ワタナベ)、WBC王者の木村悠(32歳/帝拳)、IBF王者の八重樫東(やえがし・あきら/32歳/大橋)と、主要4団体の王座のうち3つを日本人選手が占めているライトフライ級も、2016年は注目しておきたい階級だ。木村と八重樫は大学時代からのライバル、木村は田口にプロ初のKO負けを喫した過去を持ち、田口と八重樫はスパーリングでの対戦経験があるなど、3者を巡る因縁は事欠かない。
 そこに2011年からWBOの王座に君臨するドニー・ニエテス(フィリピン)、さらにはライトフライ級への転級を宣言しているWBO世界ミニマム級王者の田中恒成(20歳/畑中)も加わるため、“ライトフライ最強”を争う激戦は必至。4人の日本人王者の、果たして「誰」と「誰」が拳を交えるか興味深い。
 3階級制覇を達成したWBA世界フライ級王者の井岡一翔(26歳/井岡)と、2階級制覇を達成したWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(22歳/大橋)には、さらなる高みを目指すうえで避けては通れない相手がいる。軽量級世界最強の男――、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)。日本が誇るふたりの軽量級の雄には、“ロマゴン”の首獲りが熱望されている。
 井岡は次戦の対戦相手に、北京&ロンドン五輪のライトフライ級で金メダルを獲得したゾウ・シミン(中国)の名が上がっている。ただ、井岡自身が最近、「“唯一無二”の存在を志す」と語る以上、ロマゴンとの対戦を避けることはできないだろう。井岡陣営はそのタイミングを慎重に見計らうが、本人は対戦を熱望しているとも聞く。
 一方、「数年内に対戦が実現するのでは?」と囁かれていた井上は、昨年大晦日に同級1位の挑戦者に圧勝し、「すでにロマゴンよりも強いかも」との声もある。井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長は、「次の防衛戦をクリアしたら、ラスベガスを狙いたい」と話っているように、予想より早くファン待望のカードが実現するかもしれない。井岡と井上、どちらが先にロマゴンと拳を交えるのか。そして、それはいつなのか――。ふたりの動向から目が離せない。
 そして最後に、1月30日に上海でプロ第9戦となるノンタイトル10回戦を行なうWBCミドル級4位の村田諒太(30歳/帝拳)にも今年は要注目だ。この試合の勝ち方次第では、一気に世界挑戦の扉が開かれる可能性も十分にある。
 もちろん、複数の団体があるといえ、ミドル級で世界王者になるというのは並大抵のことではない。ただ、村田が世界に挑戦するのなら、フロイド・メイウェザー・ジュニア(アメリカ)が引退した今、“ボクシング新時代の顔”と称されるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦を見たいと思うのが、ボクシングファンの願いではないだろうか。
 2016年は内山、山中といった日本人ベテラン王者がいよいよ世界の大舞台に打って出ることとなる。井上、井岡ら若手もそれに続くはず。勝敗はもちろんのこと、心が震える試合を1試合でも多く見られることを期待したい。

http://plaza.rakuten.co.jp/oak80jpn/diary/201601150002/
Sportiva 2016.01.15
【ボクシング】何人いるのか。日本人の現役世界王者を整理してみた
2016年の日本ボクシング界を占う@前編

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