2014年11月13日木曜日

その3

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10papaのボクシングブログ  2014-11-09 23:57:19
八重樫東について(その3)~どうなる軽量級最前線~
2014-11-09 23:57:19NEW !
めずらしく2日連続の投稿です。
今回で八重樫東編は終わりにします。
怪物ローマン・ゴンサレスとの試合が決まり、その試合が近づきながらも、弱気な発言を繰り返す
八重樫陣営。半分以上は本心でしょうが、もちろん八重樫選手もタダで負ける気などなく、勝つための作戦・イメージを十分にたて、試合に臨みます。
そして、その試合はいよいよ2014年9月5日、代々木第二体育館で4,000人の観衆の中で行われました。超満員の会場は試合前から熱狂に包まれ、“勇気ある男”八重樫に熱い声援が飛びかう中、試合開始のゴングがなります。ゴングがなったら逃げ回るという発言もあった八重樫選手。
確かにヒットアンドウェイで足を使った出入りのボクシングをするのも作戦として十分考えられた
でしょいう。しかし、試合開始後、様子見の1ラウンドを終えると、2ラウンド以降、八重樫選手は足を止めゴンサレス選手との打ち合いを選びます。
「逃げていても勝てない。この相手には打ち合うしか道はない。」と考えたのです。ローマン・ゴンサレス選手の強烈なパンチ受けながら、パンチを出す八重樫選手。3ラウンドには早くも、左フックでダウンを奪われてしまいますが、それに怯むどころか更に前に出て反撃を試みます。
4ラウンド以降も足を止めて打ち合う八重樫選手。
しかし、ローマン・ゴンサレス選手の的確で強烈なパンチに、徐々に体力は削られていきます。
7ラウンド、8ラウンドには既にフラフラになり、いつ倒れてもおかしくない状況です。
それでも、気持ちだけはひるまず必死に拳を返し続ける八重樫選手。打たれても打たれても前に出る姿に会場は興奮の渦に。八重樫選手が一発一発パンチを振るうたびに、大声援が飛び交います。そして向かえた9ランド、遂に力尽き、連打を浴びて倒れたところでレフェリーが割って入り、試合をとめました。自身初のKO負けとなる、9回2分24秒TKO負けでした。
ローマン・ゴンサレス相手に男の意地とプライドを見せつけて華々しく散った八重樫東選手。
そして鳴り止まない拍手と「アキラ」コール。会場が一体となり敗者の八重樫選手と讃えます。
この試合はもはや文章では伝え切れません。
予想していた結果ではあるが、ここまで死力をつくした激戦になるとは、思いませんでした。
この試合は、もちろん大きな反響を呼びます。
ジムには八重樫選手への激励の電話が殺到し、テレビも2週間後に異例の再放送を行います。
多くの人が試合に感動し、もう一度見たいという声が多かったのでしょう。
現在、現役チャンピオンでは最多防衛記録8回を数える内山高志選手も、(ちなみに、内山選手は
八重樫選手の大学時代の先輩ですが)「自分も八重樫のような男の勲章というか、価値のある防衛記録を作りたい」という発言をしているように、試合と見た多くのボクサー、ボクシング関係者、ボクシングファンや一般の視聴者まで、たくさんの人たちの心に刻まれる試合だったと思います。
さて、八重樫選手。幸い身体に異常はなく、「初めて負けたわけではない。また一から出直すだけ。」と再起を誓ます。次戦からは一つ階級を下げ、ライトフライ級チャンピオンを獲得し3階級制覇を目指すという話もでています。
現在31歳の八重樫選手、是非もうひと花咲かせてほしいものです。
それにしても、日本ボクシング界の軽量級はタレントが集まっています。あのローマン・ゴンサレス選手も日本の帝拳ジム所属。今後も日本で度々彼の試合を見ることができるでしょう。
三階級制覇に失敗した井岡選手も、先日復帰戦をクリアし復活を狙っています。そして最後にもうひとりだけ、このボクサーを紹介させてください。井上尚弥選手です。
八重樫選手と同じ大橋ジムに所属する、若き怪物21歳です。史上初の高校7冠という記録を持ち、この頃からすでに"怪物"と呼ばれていた井上選手は、19歳で大橋ジムと契約を結びます。
ジムとの契約では本人の希望で「強い選手と戦う。弱い選手とは戦わない」との条件と付けるほど
で、これは最近の一部ボクサー達の弱気なマッチメイクを懸念してのことでしょう。まあ、大橋ジ
ムにいる限り、それはないかもしれませんが。
また、井岡一翔選手が持つ7戦目での世界王座最短奪取記録の更新を宣言していました。
実際の実力も評判どおりの怪物ぶりで、すでにスパーリングでは元世界チャンピオンをケチョンケ
チョンにするほどの実力で、本当に日本人最速のデビュー6戦目でWBC世界ライトフライ級チャン
ピオンになってしまうのです。あの八重樫選手も「自分なんて全然強くない。だって井上のほうが強いですもん。」と言っているほどで、間違いなく今後、日本のエースとなる逸材です。そして次の試合は12月30日、WBC世界ライトフライ級王座を返上し、2階級上のWBO世界スーパーフライ級チャンピオン、オマール・ナルバエスに挑戦します。なんとデビュー8戦目で2階級制覇を狙うのです。
しかも、このオマール・ナルバエス選手、WBO世界フライ級チャンピオンとして16度の防衛に成
功し、その後階級を上げ、WBO世界スーパーフライ級チャンピオンとして現在11度の防衛記録を
更新中の超強豪選手。間違いなく、現スーパーフライ級では最強の選手です。
さすがの井上選手も、「このような超ベテラン安定王者の前では、まだまだキャリアは浅く危険すぎる。早いキャリアでの敗北で評判を落としてしまうのでは?」という声も囁かれますが、心配はいりません。最強の相手に恐れることなく、男と男の勝負に挑む選手は、勝っても負けてもその価値が落ちることがないことは、八重樫選手が証明してくれていますから。
大橋ジムで先輩の背中を見てきた井上選手、きっとやってくれるに違いありません。さてさて、こんな感じで日本ボクシング界、いや世界のボクシング界における軽量級最前線は盛り上がっております。ローマン・ゴンザレス選手は、その伝説的なキャリアをどこまで伸ばせるのか?井岡一翔選手は、再び最前線へ浮上することができるか?激闘王、八重樫東選手が復活し、本当の主役になる日はいつか?井上尚弥選手が本物の怪物となり、世界へ羽ばたいていく日はいつか?これからの軽量級最前線、注目していきましょう。

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