yahoo THE PAGE 9月3日(水)19時38分配信
八重樫を悩ます最強挑戦者とデング熱騒動?
「村田諒太第5戦&井上尚弥・八重樫東ダブル世界戦」(9月5日、代々木第2体育館)の調印式並びに記者会見が3日、都内のホテルで出場6選手が出席して行われた。注目は、WBC世界フライ級王者、八重樫東(31歳、大橋ジム)と同級1位のローマン・ゴンザレス(27歳、ニカラグア)との指名試合だ。“ロマゴン”は、これまでWBA世界ミニマム級王座とWBAライトフライ級王座のベルトを巻いてきた元2階級王者で39戦無敗。アマチュア時代も87戦無敗で、しかも、プロ転向後は、39戦のうち33戦がKO勝利という高いKO率を誇る。スピードはないが、強力なパンチ力とプレッシャー、精密マシンのように的確にパンチを当てていくセンスを兼ね備えた文字通り軽量級世界最強ボクサーである。「強い選手と戦うのがボクサーの責任。これを勝ち抜いてこそ本当のチャンピオンだと思う。ロマゴンは、技術、メンタル共に高い次元にあって、勝つのは大変なことはわかっているが、ハート、気持ちの部分でがんばりたい。僕の生き様を見届けてもらいたい」
八重樫は、そう悲壮なまでの覚悟を語った。
大橋ジムの大橋秀行会長は、「私が八重樫に送っている助言はたったひとつだけ。ゴングが鳴ったと同時に逃げ回れ!」と珍指令。それを受けて反応を聞かれたロマゴンは、「大変、いい助言だと思う。9月5日は試合というより戦争になるだろう」と、このときばかりは、神への祝福の言葉を忘れて敵意をむき出しにした。
「私の発言を聞いて、当日は、どう出てくるのか?とロマゴンも混乱しただろう」と大橋会長は、したり顔。公にした「逃げ回れ!」は、あくまでも陽動作戦のひとつ。八重樫陣営は「ロマゴンを相手に12ラウンド足を使い続けることはできない」と読んでいる。もちろんステップワークとスピードを活かした出入りのボクシングは基本だが、腹を据え足を止めて打ち合うことも含めて、いくつかのパターンを想定してロマゴン攻略作戦を立てている。「最終的な答えは見つからない。リングに上がってからの感性」とも八重樫は言う。
いずれにしろロマゴンが難攻不落の挑戦者であることは間違いない。
「ロマゴンは生きた伝説、最強のボクサーと戦った男になるか、勝った男になるかでは大違い。八重樫には、生きた伝説に勝ったボクサーになってもらいたい」と、大橋会長は愛弟子に熱いエールを送った。
大橋会長は、力強い八重樫応援団の来日も用意した。
大橋会長の現役時代のライバルで「小さな巨人」と呼ばれた、リカルド・ロペスが、息子でボクサーのアロンソ・ロペスを伴って来日、八重樫応援団としてリングサイドに陣取る予定だ。リカルド・ロペスは、大橋会長からWBC世界ストロー級のベルトを奪って以降、22度の防衛を果たして無敗のままリングを去った、元祖軽量級最強ボクサー。大橋会長とは、親交が続いていて、ロペスがロマゴン対策を八重樫に授けるという。また現役時代に『韓国の鷹』と恐れられた伝説のボクサー、元WBC世界ライトフライ級王者の張正九も来日予定。張正九は八重樫がタイトルを獲得した五十嵐俊幸戦の前にも電話で激励をしている。また八重樫と統一戦を戦った井岡一翔も来場予定。勇気が必要な試合だけでに歴代王者の顔がズラリと揃うことは八重樫にとっては頼もしくもあり刺激にもなるだろう。
ただ、ロマゴンと同時にプロモーターとして大会を主催する八重樫陣営を、さらに悩ませる、もうひとつの問題がある。代々木公園が発症場所とされるデング熱騒動である。
試合会場の代々木第二体育館は、その問題の代々木公園内にある。出場選手に関しては記者会見や計量などの行事は都内で行われ、試合は体育館のため、関係者入り口までは車で移動。公園内をウロウロして媒介する蚊に刺される危険性は少ない。また例え刺されたとしても発症まで3日から14日程度の潜伏期間があるため、試合への直接的な影響はないが、来場するお客さんへの不安はある。すでに前売り券は完売。当日券を残すのみだが、その発売窓口も外で体育館内に感染菌を持った蚊が紛れ込む可能性も少なくはない。
大橋会長は、何か防虫施設を設置できないものかと、蚊取り線香などの防虫剤で有名な金鳥(大日本除虫菊株式会社)に直接、連絡を入れたという。
「キンチョウに連絡をしたんだけど、『うちは家庭用で業務用は取り扱っていない、そういう相談は都の方へ』と言うんだ。そこで都の方に連絡を入れたんだけど、すでに代々木公園内での駆除活動は行っていて、あくまでも個人で注意をしてもらうしかないという話だった。お客さんの皆さんには防水スプレーなどの予防をお願いしたい」
この日の記者会見では、途中、フリーのカメラマンが突然倒れて中断してしまうアクシデント。事前に起きたデング熱問題といい、9・5代々木のリングには、何やら予期せぬ結末が待っていそうな予感がする。
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