2014年9月3日水曜日

逆境を覆す

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO76548500T00C14A9US0000/
日経新聞 2014/9/3 夕刊
怪物よ、さぁ来い 八重樫、5日に4度目防衛戦
相手は39戦全勝33KO 「逆境を覆す」
 ボクシングで今年一番の好カードが5日に東京・代々木第二体育館で行われる。世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の八重樫東(大橋)が4度目の防衛戦で迎え撃つのは、39戦全勝(33KO)の指名挑戦者ローマン・ゴンサレス(27、ニカラグア)。圧倒的不利がささやかれる31歳の王者は「僕にとってビッグチャレンジ。ただで転ぶつもりはない」と闘志を燃やしている。
 主役はある意味で挑戦者の方かもしれない。日本のリングに過去7度上がり、前国際ボクシング連盟(IBF)ミニマム級王者の高山勝成(仲里)らを退けた「ロマゴン」の強さはファンの脳裏に刻まれている。
 無敗でミニマム級、ライトフライ級の2階級制覇を果たすも、最後の世界戦から2年近くも遠ざかっているのは「戦ってくれる人がいなかった」から。世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王者時代には井岡一翔(井岡)との対戦が期待されたが、実現しなかった。
 「誰かがやらなければいけない。この話に応えなければ男じゃないと思った」。多くのボクサーが敬遠した強豪の対戦を受け入れた八重樫に、ファンも喝采を送っている。前売り分のチケットは既に完売した。
 「ゴンサレスはパーフェクト」と苦戦は百も承知だ。対戦相手の逃げ道を塞ぐ重厚なプレスに終わることを知らない連打、ボディーへの強打と隙がない。12ラウンドにわたってかわし切るのは難しい。八重樫はWBAスーパーフェザー級王者、内山高志(ワタナベ)のフィジカルトレーナーも務める土居進氏の下で肉体を強化。前後の出入りを考えて下半身を鍛えたのはもちろん、肩回りや背筋の盛り上がりも目を見張る。
 大一番への前評判が高いのは、八重樫がこれまでも期待に応えてきたからだろう。3年前のWBAミニマム級王座を奪った一戦は米国メディアで「世界の年間最高試合」に選ばれ、翌年の井岡との2団体王座統一戦は国内の年間最高試合に選出された。「逆境を覆すのがボクシングの醍醐味」。小手先が通じない怪物を前に、31歳が再び激闘王と化す予感がある。

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