2013年3月26日火曜日

WBC世界フライ級タイトルマッチ


http://www.ntv.co.jp/G/boxing/wpb/
ボクシングライター原功さん WBC世界フライ級タイトルマッチ
五十嵐俊幸(帝拳) VS 八重樫東(大橋)
1年前には考えもしなかったカードが世界の舞台で実現することになった。昨年の4月というと、五十嵐は指名挑戦者としてWBC世界フライ級王座に挑戦する準備を進めていたころだった。一方の八重樫は2階級下のミニマム級でWBA王座に君臨。WBC王者、井岡一翔(井岡)との統一戦に向けハードなトレーニングを重ねていた時期だった。本格的な夏を迎えたときには五十嵐は世界王者、逆に八重樫は無冠と立場は逆転していた。そんな両者がフライ級で拳を交えることになったのだから、このふたりはよくよく縁があるということなのだろう。
遡れば両者はアマチュア時代に4度対戦し、五十嵐が4勝を挙げている。今回の試合を前に八重樫が階級をアップしていたこともあるが、対戦そのものを希望したのは五十嵐の方だった。「八重樫さんは井岡戦で人気と知名度を上げた。技術、体力、人気、知名度などすべての面で自分よりも上にいる人。そうした自分が持っていないものを手っ取り早く手に入れるには絶好の相手」と五十嵐は逆指名の理由を話す。もちろん相性の良さも感じているはずだ。戦績は19戦17勝(10KO)1敗1分。
これに対し1歳上の八重樫は「アマ時代には4回負けているのでリベンジの絶好の機会。モチベーションが上がっているので、見ていて面白い、激しい試合をする」と打撃戦を仕掛けることを予告している。井岡に敗れてから今年1月にはフライ級の体重で再起戦を行い9回TKO勝ちを収めている。新しい階級で試運転を済ませていることもあり、こちらも自信は十分といえる。戦績は19戦16勝9KO)3敗。
この両者、戦闘スタイルは対照的だ。五十嵐はスピードと巧みな位置取りを重視したサウスポーのボクサーファイター型で、八重樫は相手に積極的に接近していく攻撃型の選手なのである。
八重樫はパンチ力に自信を深めているが、ただし2階級上でどこまで通じるかは疑問だ。同様にフライ級での耐久力にも疑問符をつけざるを得ない。これらがまったく問題なければ五十嵐攻略も可能であろう。強引に距離を詰めて回転の速い左右を浴びせてポイントを重ねる可能性もある。
しかし、体格(五十嵐=身長166センチ、リーチ169センチ、八重樫=身長161センチ、リーチ162センチ)で大きく勝る五十嵐が、そのアドバンテージを捨てて感情に任せて正面からのリスキーな打ち合いを選択するとは思えない。巧みに足を使いながらワンツーで突き放し、着実に加点を狙うと見る方が自然だろう。腫れやすい八重樫の瞼も標的になるはずだ。
得意とするスタイルや距離が異なるため、序盤から激しい主導権争いが展開されることになりそうだ。中盤になって抜け出すのは五十嵐か、それとも八重樫か――。

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