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河北新報 2021年3月2日
河北春秋(3/2):プロボクシングで世界3階級を制した北上市…
2021年03月02日 06:00
プロボクシングで世界3階級を制した北上市出身の八重樫東(あきら)さんは現役時代、試合前の1カ月間に10キロ近い減量を強いられた。3週間で6キロ以上の脂肪を落とした後、汗をかいても水分を取らない「水抜き」をした▼己の体を隅々まで知り尽くし、計画的に臨んでも、水抜きは過酷だという。何よりも大切なのは我慢。思うように体重が減らなければ、これだけやっているのにと、焦りも出てくる▼新型コロナウイルスの新規感染者を減らすのは減量に似ているかもしれない。緊急事態宣言が出されている首都圏1都3県の新規感染者数は減る速度が鈍り、東京都は先週末、前週よりも増えた。病床使用率が高止まりしている県もある▼政府は6府県の緊急事態宣言解除を決めた際、一部の慎重論を押し切った。4都県も7日に解除したい考えだが、専門家の間には、現状では感染再拡大というリバウンドが起こりかねないと否定的な意見が多い。経済回復を焦る菅義偉首相の前のめりの姿勢が垣間見える▼八重樫さんは試合前日の計量をパスした後、暴飲暴食がたたって体重が1日で8キロ近くも増え、試合に負けたことがあった。ボクシングもコロナも、気の緩みがリバウンドにつながる。減らすのは大変でも、戻るときはあっという間なのも同じだ。(2021・3・2)
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