2021年3月13日土曜日

岩手県広報誌3月号

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岩手県広報誌 いわてグラフ第775号(令和3年3月1日発行)

表紙 元プロボクサー 八重樫東さん・佐藤洋太さん


表紙に登場したのは、元プロボクサーの八重樫東さんと佐藤洋太さんです。

インタビュー記事(7ページ)では、お二人の関係や東日本大震災津波から10年を前に、被災地への想いなどを語っていただきました。





7ページ

表紙の人「支え合う関係・ベストパートナー」

「お互いに支え合いながら幸福を追求していくことができる地域社会」の実現を目指して邁進する人々の姿を紹介します。

被災地の想いを拳に不屈の精神で戦った二人のチャンピオン

元プロボクサー 八重樫東(あきら)さんと佐藤洋太さん


10年前のあの日。岩手から離れた場所で津波の被害を知った人たちは、誰もが「被災地のために自分にできること」を考えたのではないでしょうか。当時、プロボクサーだった八重樫東(あきら)さんと佐藤洋太さんも、同じでした。

「ボクサーにできるのは、ボクシングで勝つこと」と考えた二人。八重樫さんは「懸命に悔いなく」、佐藤さんは「みちのく魂」の言葉を胸に、リングで戦いました。

八重樫さんは2011年10月、県内出身ボクサー初の世界チャンピオンに。一つ年下の佐藤さんも先輩に続くように翌年3月、世界チャンピオンになり、その活躍で岩手に元気を与えてくれました。

出身校は違っても先輩と後輩の仲。佐藤さんの世界タイトル戦の前は、「洋太にもチャンピオンになってほしいから」と、八重樫さんが練習相手に。スパーリングは54ラウンドにも及びました。

そして世界を相手に戦った二人は、被災地を訪問し、バーベキューやミット撃ち体験などを通じて、地元の人を元気づけたことも。

八重樫さんは、その後も幾度となく被災地を訪問。「懸命に悔いなく」の言葉は、釜石の総合格闘技ジムの代表からもらった言葉でした。「今この瞬間を大切に。残された俺たちにできることをしよう」。そんな思いが込められた言葉を胸に戦う八重樫さんの姿は、私たちの心を揺さぶりました。

「ボクシングで世界一になった人間だから伝えられることがある。今できることを、できる限りやっていきたい」。現在は、指導者として後進の育成に励む八重樫さん。引退してもなお、静かに心の炎を燃やしています。

紹介

八重樫東さん 1983年北上市生まれ。県立黒沢尻工業高校出身。元プロボクサー。第20代ダブリュビーエーミニマム級、第40代ダブリュビーシー世界フライ級、第21代アイビーエフ世界ライトフライ級のチャンピオン(3階級制覇)。不屈の戦いぶりで「激闘王」と呼ばれた。2020年9月引退、11月県文化スポーツ表彰。

佐藤洋太さん 1984年盛岡市生まれ。県立盛岡南高校出身。元プロボクサー。第23代ダブリュビーシー世界スーパーフライ級チャンピオン。現在は盛岡市で「焼肉チャレンジャー」の店長。東京のジムで指導も。2012年盛岡市民栄誉賞。

取材協力 県立黒沢尻工業高校ボクシング部

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