2020年3月13日金曜日

軽量級の勢力俯瞰図

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フシ穴の眼 2020年03月12日

軽量級の勢力図【俯瞰検証】ジュニアフライの巻
リング誌の名物編集長だったナイジェル・コリンズに言われるまでもなく、軽量級ボクシングはとにかく面白い!
105〜122lb、ストローからジュニアフェザーにかけての17ポンドで繰り広げられる、スピードと回転の高速ワールドを耽溺していきます。競技人口は3月11日現在のBoxrec。
■108Lb ■競技人口448人(17階級中16位)
ジュニアフライ級。
「水増し階級」の代表のように語られがちのジュニアフライ、108Lb級ですが、創設は1975年。
中米に拠点を置くWBC とWBA、腐敗を極める承認団体に付け込む悪徳プロモーター…薄汚い奴らが結託してデッチ上げたジュニアフライ級の話は、ここでは別の話。
創設時は世界的にも批判が多かったジュニアフライ級でしたが、かれこれ45年の歴史を重ねてきました。
そして、日本が最も多くの世界王者を輩出しているのも、この108lb級です。
日本人が世界王者になることが多いフライ級は「伝統のフライ」と表現されてきましたが、現実は「伝統のジュニアフライ」です。
「レベルが低い軽量級の最下層」。そんな欧米の偏見をよそに、このクラスの黎明期には極東から3人の傑出した才能が飛び出しました。
日本の具志堅用高と、韓国の張正九と柳明佑。
三人の連続防衛回数を合計すると、13(カンムリワシ)+15(コリアンホーク)+17(ソナギ)=45。今なお、このクラスにおいて彼らの存在感は際立っています。
しかし、108lbのグレートは、極東だけの専売特許ではありません。
米国では注目度が非常に低いsub -bantam weightでありながら、メガファイトの主役となったマイケル・カルバハルとウンベルト・ゴンザレス。
彼らが火の出るような激闘を繰り広げたのが、ジュニアフライ級です。
カルバハルは1993年のリング誌 Fighter Of The Yearを獲得、これは現在に至るまでも Fighter Of The Year の〝最軽量記録〟です。
かつて、ボブ・アラムがノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル(2011年の世界バンタム級タイトルマッチ)を「軽量級がここまで注目されるのはカルバハルvsゴンザレス以来、あの試合に匹敵する」と喧伝しましたが 「一緒にするな。カルバハルとウンゴンは20年前にもかかわらず3倍以上も報酬が多く、注目度は桁違いだった」と多くのファンの失笑を買うだけでした。
ちなみに、1993年の全米ボクシング記者協会(BWAA)のFighter Of The Year はパーネル・ウィテカ。
ドネアは2012年にBWAAでFighter Of The Year に輝きましたが、リング誌はファン・マヌエル・マルケスを選出しています。
日本からは具志堅だけでなく柳の絶対王政にピリオドを打った井岡弘樹、物議を醸し続けた亀田興毅、世界の激闘王・八重樫東、のちのPFPファイター井上尚弥、2団体統一&リング誌王者・田口良一、「13」の更新を狙う寺地拳史朗、東海の星・田中恒成、ヘッキー・ブドラーをTKOして田口の仇を討った京口紘人…個性と実力を兼ね備えた世界王者が絶え間なく生まれ続けています。
現在のトップシーンはWBA &リング誌タイトルをキープする京口と、7連続防衛中の寺地が文句無しの2強。
IBF王者フェリックス・アルバラードとWBO王者エルウィン・ソト・カストロ、WBAセカンド王者カルロス・カニサレス、WBA暫定王者ダニエル・マテヨンが日本人との統一戦を窺っていますが、やっぱり見たいのは京口vs寺地です!

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