2020年2月28日金曜日

結論は急がせず、待つことにしよう

https://bit.ly/3991ZKC
THE PAGE  2/28(金) 5:00

引退勧告を大橋会長から受けた”激闘王”八重樫東に心境直撃「決まっていると言えば決まっていますが頭の中をぐるぐる」
プロボクシングの名門、大橋ジムの大橋秀行会長が27日までに、自身のインスタグラムにて、元世界3階級制覇王者、八重樫東(37)に引退勧告を行ったことを発信した。投稿された文章は「八重樫東には引退勧告しました。本人が考えて結論を出すと思います。これからも八重樫東を宜しくお願いします。試合の時タオルを入れるタイミングを逃しましたが、今日タオルを入れました」というもの。八重樫の37歳の誕生日となる25日に、八重樫東後援会の報告会が行われたが、その際、マイクを向けられ挨拶に立った大橋会長が、インスタに書き込んだような”公開引退勧告”を行ったという。
引退勧告を受けた八重樫に今の心境をストレートに聞いてみた。
――大橋会長のインスタの投稿がネットニュースになっています。
「はい。知っています。でも、どうですか。今は、新型コロナウイルスへの対策問題で、ジムもボクシング界も大変でそれどころではないでしょう。(現役リングから)去るか、去らないかという人間のことなんかよりも、今やっている人たちのほうが大事でしょう」
 八重樫は、拡大している新型コロナウイルスの影響で3月16日に後楽園ホールで予定されていた大橋ジムの興行が中止となり、27日に大橋ジムで予定されていたWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者、井上尚弥(26)の公開スパーリングも中止になったことを気にかけ、そんな状況の中で、自らの進退が注目を浴びていることに困惑していた。気遣いの人らしい反応だった。
――引退勧告を受け、結論は出ましたか?
「うーん、どうですかねえ。どうなんだろう。今は、ネットニュースだけが独り歩きしてしまっているように感じます。もう(どうするかの結論は)決まっていると言えば決まっていますが、行動に移すまでには至っていない。頭の中でぐるぐる回っている感じなんです」
ーー決まっている?
「この前ジムで今の気持ちを話しましたよね。今もあのままです」
 八重樫は、すでにジムワークを再開していた。昨年12月23日に横浜アリーナでIBF世界フライ級王者、モルティ・ムザラネ(37、南アフリカ)に挑戦。序盤は大善戦しながらも9回にレフェリーストップによるTKO負けを喫して、最年長王座奪取の記録を塗り替えることはできなかった。7回に右ストレートからのワンツースリーのコンビネーションブローを2度、被弾。その衝撃で左目に眼窩底骨折を負った。現在は、傷も癒え視力も戻っていて、ミット打ちなどの技術練習も交えた本格的なジムワークを再開していた。だが、その行動はイコール再起というわけではなかった。
 その揺れる心境を八重樫は、この18日に筆者にこう打ち明けていた。
「これから、どうしたいのか、自分では今はわからないし、何も決まっていません。次に何をしたいか、やれるのかもまだハッキリとはしないんです。正直、やる(現役続行)という選択肢はないと思うんです。でも、気持ちが変わったときに、動き始めても、もう年齢的にも遅いし間に合わない。今は、まだボクシングライセンスは返上していません。やるにしろ、辞めるにしろ、自分の気持ちが決まったときに、その時点で肉体の準備だけはしてあるという状態にしておきたいんです。決してボロボロになるまでボクシングをやろうという気持ちもないんです」
 実は、25日の後援会の報告会を前に八重樫は、大橋会長に「後援会のパーティーでは、今後の進退についてどう報告すればいいでしょうか?」と尋ねている。大橋会長は「今後については改めて話をしよう」と返答を保留。25日の報告会までに膝を交えて会談を持った。
 八重樫は、現在の心境を素直に語り「会長に任せます」と判断を委ねた。だが、現役時代に所属したヨネクラジム伝統の「自分の生き方は自分で決める」との精神を汲む大橋会長は、引退を勧告したが、「最後は自分で考えて結論を出しなさい」と、最終結論を投げ返した。そこには「いつまで」の期限はなかったという。 
「会長の気持ちはだいたいわかっています。会長の言葉を受けて、僕の結論を会長に伝えて、今後、どうする、こうするについては、会長と一緒に決めることになるでしょう。でも僕としては、ハッキリと、これからどうするんだということを決めてから、会長に話をしにいくつもりでいます。幸い会長からは、いつまでに結論を出しなさい、という期限がなかったので、もう少し考えさせて下さい。いずれにしろ悔いの残るような選択はしません」
 八重樫は、それ以上は、口をつぐんだ。
 筆者も大橋会長の引退勧告には賛同する。おそらく八重樫にも大橋会長の引退勧告を受け入れる覚悟はもうできている。
 だが、8ラウンドに大橋会長がタオルを投げ入れる寸前までいき、9ラウンドにも一方的に打たれ、最後は立ったままレフェリーに止められたムザラネ戦で心を折られたわけではない。6ラウンドまでのジャッジはドロー。ケガのアクシデントがなく、本能のまま打ち合いに応じず、ポイントアウトを徹底していれば勝てたという「悔い」が残っていることも確かだろう。
 その一方で、セカンドキャリアの具体像も抱いている。八重樫は、15年間のプロボクサー生活の中で、トップクラスの専門家から学んできたフィジカル&フィットネストレーニングの理論と、自らの肉体を実験台に”博士”のようなスポーツ・ニュートリションの分野の知識を身につけ減量方法も構築した。その蓄積された経験と理論をもとに、ボクサー、格闘家に特化したフィジカル&フィットネストレーナーとして”第二の八重樫”を育成したいとの夢がある。
 ボクシングの技術もわかり、勝つためには、どこに、どんな筋肉が必要で、12ラウンドを戦うスタミナをどうつければいいかを知るフィジカル&フィットネストレーナーがいれば、パーフェクトだろう。それが実現すれば、まさに業界にとって画期的な異例の転身になる。
 八重樫は、いつ大橋会長の引退勧告への答えを出すのか。
 3階級を制覇する過程で、敗れてなお人々を引き付けた”ロマゴン”戦など、数多くの感動を与えてくれた”激闘王”へのリスペクトをこめて人生最大の結論は急がせず、待つことにしようではないか。

https://bit.ly/2PvKTPu
スポーツ報知  2020年2月27日 16時22分

八重樫東に大橋会長が引退勧告 25日に直接伝えていた
大橋ジムの大橋秀行会長は27日、プロボクシング元世界3階級制覇王者・八重樫東(37)=大橋=に対し、引退勧告を行ったことを認めた。
 同会長は八重樫の報告会が行われた25日に本人に直接伝えたといい、自身のSNSで「試合の時タオルを入れるタイミングを逃しましたが今日タオルを入れました」と報告していた。「本人が考えて結論を出すと思います」とし、「これからも八重樫東を宜しくお願いします」とつづっている。
 八重樫は岩手県出身。2005年3月にプロデビュー。11年10月にWBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座を獲得。翌年6月、井岡一翔とのWBA・WBC王座統一戦に敗れたものの、13年4月にWBC世界フライ級(50・8キロ以下)王座を獲得。3度防衛した。15年12月にはIBF世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座を獲得(2度防衛)し、3階級制覇を達成した。昨年12月23日、IBF世界フライ級王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑んだものの、9回TKO負け。4度目の世界王座獲得はならなかった。2月25日は八重樫の37歳の誕生日だった。

https://bit.ly/2T3MEph
サンスポ 2020.2.28 05:00

大橋会長、八重樫に引退勧告「タオル入れた」/BOX
プロボクシングの大橋ジムの大橋秀行会長(54)が27日までに、自身のブログなどで同ジムに所属する元世界3階級制覇王者の八重樫東(37)に引退を勧告したと明かした。
 大橋会長は八重樫の誕生日の25日に勧告したとし、「本人が考えて結論を出すと思う。試合の時はタオルを入れるタイミングを逃したが、タオルを入れた」と記した。
 八重樫は昨年12月23日にIBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑んだが、9回TKOで敗れた。試合後は進退について「考えないといけない時期」と明言を避けていた。

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