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Tarzan 2018.12.03
COLUMN
プロボクサー・八重樫東選手の“マイ・バディ”「この“仲間たち”とボクシング人生をリスタートしました」
プロボクサー、八重樫東選手。これまでWBAミニマム級、WBCフライ級、IBFライトフライ級と、異なる団体の3階級で世界王者に輝いた不屈のチャンプの“バディ”は、緑にカラーリングされたグローブとシューズでした。雑誌『ターザン』の人気連載〈It's My Buddy!〉より。
プロボクサーが試合のリングに上がるのは年に2度ほど。長く、過酷な練習や減量を経て臨む一戦の重さは他競技と比較にならないが、ゆえに道具への思い入れも強い。
「グローブもシューズも覚悟を持ってリングに上がるための仲間であり、自分を助けてくれる存在。“彼ら”がいないと試合も練習もできませんから常に“ありがとう”の気持ちを忘れないようにしています。
特に試合前の控室で身に着ける時は特別。同じジムの井上(尚弥)なんかはパパッと着けて“さぁ行きましょう”というようにナチュラルな感じですけど(笑)、僕はわざとピリつかせてスイッチを入れますね」
そんな八重樫東選手が今、愛用しているグローブとシューズはともにグリーンをキーカラーに用いているのが印象的だ。そこにはこんな意味が込められているという。
グローブは〈ウイニング〉でシューズは〈ミズノ〉。ともにメジャーブランドの定番アイテムだが、八重樫選手はカラーリングと好きな言葉の刺繡でより愛着ある仕様に。
ちなみにシューズはクッションがほとんどないのが特徴。「何よりもリングとの密着感を大事にしています。頭で考えるイメージと足の接地感覚に少しのズレもなく、バンと反発して前に出ていけるのがいいシューズなのかなと」。
緑は“再生の色”
「昔は色に固執していなかったんですが、3階級を制覇した時から“カラー”を意識するように。シューズやショーツの腰まわりにオレンジを使って以来、自分の中で意味を持たせながら1年に1度のペースで色を変えています。今年は“再生の色”の緑。3月に再起戦をやったのですが、そこに向けてもう一度自分のボクシングを取り戻す意気込みでこの色を選びました」
そして8月の再起2戦目も勝利を飾った八重樫選手。今年で35歳になるが、飽くなきチャレンジはまだまだ途中のようだ。
「この道具たちと一緒に再起してから、やっぱり楽しいんです。ボクシングあっての自分の人生だと、改めて実感しています」
text: Kai Tokuhara photo: Yoshio Kato illustration: Shinji Abe
(初出『Tarzan』No.754・2018年11月22日発売)
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