2016年9月13日火曜日

ロマゴン苦闘4階級制覇

http://goo.gl/7BTd4S
猫ボク 2016.09.10
海外 ロマゴン苦闘4階級制覇!井上戦は来年実現へ
9・10米・イングルウッド
 ▼WBC世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
  同フライ級王者・ローマン・ゴンサレス(ニカラグア) 3-0 王者・カルロス・クアドラス(メキシコ) 
   ※117-111、116-112、115-113
 ▼10回戦
  亀海喜寛(帝拳) 8回終了TKO ヘスス・ソト・カラス(メキシコ)

9・10英・ロンドン
 ▼IBF&WBC世界ミドル級タイトルマッチ 12回戦
  WBC王者・ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン) 5回TKO IBFウェルター級王者・ケル・ブルック(英国)
 ▼IBF世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦
  王者・リー・ハスキンス(英国) 3-0 同級1位・スチュアート・ホール(英国)
   ※117-111、115-113、116-112
 ▼IBF世界フライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・ジョンリル・カシメロ(フィリピン) 10回TKO 同級14位・チャーリー・エドワーズ(英国)

 ロマゴンが予想以上に苦戦しての4階級制覇。日本で世界タイトルマッチをよく見るスーパーフライ級、最近では井上尚弥の圧勝や、河野公平の激闘を見てきているが、それでもこれが同じクラスのタイトルマッチかと思うほどハイレベルな試合だった。

 クアドラスは序盤のロマゴン猛攻に対して、怯まずやり合った。ロマゴンの圧力は相当なものだったが、高い集中力で連打を打って返していた。このあたり体格の大きいクアドラスがパワーで引けを取らないところもあり、さらにステップの速さが生きた。4回あたりからロマゴンはさらにペースを上げたが、空を切るパンチが多いため、さすがに6回あたりで疲れも見せた。クアドラスもボディが効いたような感じだが、得意の後半逃げ切りへのパターンで、なおロマゴンの強打をかわしていた。顔はロマゴンの方が腫れており、試合展開自体はクアドラスのペースにすら見えた。ロマゴンはひたすら打って出て攻勢は見せるが、パンチ後の体が流れ、スピードも落ちていた。ただ、クアドラスも終盤は軽いパンチとクリンチでやり過ごすのが精一杯。採点を細かく付けてなければ、おおむねドローぐらいに見えた内容でもあったが、採点上は2、4、6点差でロマゴンの手が上がった。いつもの勝ちパターンが空回りしたロマゴンが勝者となり、やるべきことをフルにやりきったクアドラスが敗者となったという感じだ。いずれにしても両者とも驚異的なボクシング技術とフィジカルを競った凄い試合で、このマッチメイクを受けた両選手に拍手したい名勝負だった。

 試合後は、涙してインタビューに応えるロマゴンが、井上との試合を聞かれ「喜んでやりたい」と即答。ただ、井上は年末に大晦日での国内防衛戦を予定しており、大橋秀行会長が、ロマゴン戦に前向きながらも井上のバンタム級転向も見据え、実現するなら来年中にとしている。ロマゴンがかつてない苦戦を見せたことで攻略の研究材料ともなっただろうが、その井上も拳の慢性的な故障を抱え、クアドラスばりの激闘に持ち込めても肉体が耐えうるのかという懸念も出てきている。いずれにせよ来年、前哨戦としてでも井上がアメリカのリングに上がることになれば、日本のファンにとって最大の注目事となりそうだ。

 アンケートでは、ロマゴン判定勝利の予想は2番目に多く、「階級の壁、お互い手の内は分かると思うので一方的にはならずとも3-0で4階級制覇!」としたまなパンチさん、「なかなかクリーンヒットは奪えないが、終始攻める姿勢を貫いたロマゴンが中差の判定勝ち」としたTSさん、ほか、浪速のドサ拳さん、川流河童さん、ハイロ67さん、地方土人さんらがヒット。

 亀海は前回ドローだったカラスとの再戦に決着をつけた。初回にボディを効かせる幸先の良いスタートで、前回同様のタフファイトを求めてきたカラスに、ボディでダメージを蓄積させた。かまいもせず前進してくるカラスにやや攻め疲れも見せ、見た目はいまいちのところもあった亀海だが、肉を切らせて骨を断つとばかりにクリーンヒットを入れていたことが勝機となり、8回、カラスがダウン。ここは立ち上がってしのいだカラスだが、それ以上の戦闘には応じず棄権した。ゾンビのように倒れないカラスにKO勝ちというのは非常に価値ある結果。このあたり、小原があっさりKO負けした後だけに、亀海が海外試合を積み重ねて身についた芯の太さ、キャリアによる地力を感じた。これまた良いオファーが舞い込んできそうだ。

 イギリス興行、ゴロフキンは、序盤にブルックの連打に手を焼く場面もありながら、すぐさま攻勢をキープ。5回、コーナーに追い込んで連打すると相手セコンドがタオルを大きく振った。すぐには気付かなかったレフェリーだが、白い布が投入されるのを見てストップ。不完全燃焼に終わった。ブルックは試合後も「目を傷めてしまったけど、まだやれた」と強気だったが、ゴロフキンは「相手は強くはなかった」と涼しくコメント。2階級の差があるマッチメイクだけに、サプライズのインパクトはあったが、壊されないうちに身を引いたブルックを見れば、結果的にやや無理があったものにも見えた。観客もこの結果にはブーイングを飛ばしていた。
 アンダーカード、ハスキンス×ホールはいまひとつ噛み合わず、決定打に欠けるラウンドが多いまま王者防衛。カシメロは距離を取っての飛び込む強打で終始、相手を突き放すスタイルでリード。10回、左一発でダウンを奪って追撃ストップで防衛。挑戦者はサークリングが多くディフェンシブな戦い方、キャリア不足が否めなかった。

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