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日刊スポーツ 2016年9月12日9時52分
井上、ロマゴン戦は戦い方次第で勝機あり/観戦記
<プロボクシング:WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇10日(日本時間11日)
◇米カリフォルニア州イングルウッド・ザ・フォーラム
挑戦者のローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)が、視察に訪れたWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23=大橋)の前で4階級制覇を達成した。初めて本場の米国リングを視察した井上は、日刊スポーツに観戦記を寄せた。
<井上観戦記>
本場独特の雰囲気に身震いがした。これまで「米国でやってみたい?」と何度も聞かれてきたが、「場所は気にしない」と本心で答えていた。だが、初めて米国でボクシングを見て、思いが変わった。少しずつ会場に人が入ってきて、メインイベントの世界戦は超満員。入場の瞬間の声援、会場全体の熱をリングの上で感じてみたいと思った。
こっちの人が自分をこれほど知ってくれていることにも驚いた。「軽量級」に対する目が、ロマゴンの活躍で変わってきている部分もあると思う。そのロマゴンと戦うことを期待されるのは、自分にとって最大のモチベーション。同じ時代に、最高のライバルがいることに喜びを感じている。
試合は予想外だった。クアドラスがロマゴンのパワーに耐えられるかがポイントになると思っていたが、最後まで足を使って苦しめた。ただ、ひるまない相手に競り勝ったのはロマゴンの経験と強さ。技術的には、圧力をかけ続けるプレスがすごい。大げさに言うと、逃げようと思った場所に動くと、すでにそこにいてパンチが飛んでくるレベル。ロマゴンにしか出来ない空間の削り方で、相手は気がつけばロープ際に追い込まれている。自分が戦うことを想像すると、あのプレスをどう攻略するかが鍵になると思う。
完璧な選手なのは分かっているが、スピードもパワーも負けていない自信もあるし、戦い方次第では勝機を見いだせると感じた。これからじっくり作戦を立てていきたい。

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