サンスポ 2015.10.18 05:02
興毅が現役引退 河野に完敗で「きれいさっぱりやめる」/BOX
WBA世界Sフライ級タイトルマッチ(16日=日本時間17日、米イリノイ州シカゴ)日本初の世界4階級制覇を目指した世界Sフライ級2位の亀田興毅(28)が同級王者の河野公平(34)=ワタナベ=に0-3の判定で敗れ、タイトル獲得に失敗。日本選手に初めて敗れた試合後、「きれいさっぱりやめる」と現役引退を表明した。今後、亀田ジムの会長に就任し、ジムの再興を目指す。河野は2度目の防衛に成功した。
左目の周囲を大きく腫らし、右まぶたには切り傷。興毅は敗戦の現実を受け入れた。35戦目がプロボクサーとして最後の一戦になった。
「勝負の神様は、おれにほほ笑まなかった。でも何の悔いも残っていない。この試合が終わったらやめようと思っていた。これ以上先はない。おれは30歳までに引退すると決めていたし、きれいさっぱりやめますよ」
日本選手に初黒星を喫し、最大の目標に掲げた4階級制覇に失敗した。ボクサーとしての夢が砕け散り、興毅は穏やかな表情で引退を表明した。
日本で試合が行えなくなった興毅らは海外に活路を求めた。注目の1年11カ月ぶりの世界戦。得意のアウトボクシングを封印し、接近戦を展開した。2回には左ボディーで王者をぐらつかせたが、直後にカウンターの右ストレートをあごに食らってダウン。3回にはローブローの反則を2度取られた。決定的な場面をつくれなかった。「河野選手もよく頑張っていたし、おれも必死。いい試合ができた」。悔しさと満足感。対照的な思いが交錯した。
実は試合前、妻、美香さん(29)をはじめ、弟の大毅(26)、和毅(24)にも引退の意思を打ち明けていた。「勝って終わるのが一番きれいだけど、3階級制覇もしたし、すごく満足している。いいボクシング人生を歩めた」。集大成のリングと位置づけていた。
“亀田劇場”はこれで終演。関係者によると、今後はジムの会長に就任する方針だ。日本ボクシングコミッション(JBC)などに働きかけてオーナーライセンスを取得、弟たちが国内で活動できるように尽力する。それが興毅が自らに課した使命。13年の現役生活にピリオドを打ち、迷いなく“第二の人生”に踏み出す。
興毅がかつて所属した協栄ジム・金平桂一郎会長の話
「良くも悪くもボクシング界を引っ張った。一つの時代の終わりを感じる」
★亀田ジム会長らへの処分
2013年、IBF・Sフライ級王者だった亀田大毅が統一戦で敗れながら王座を保持した。JBCは亀田陣営が勝敗に関係なく王座にとどまることを事前に知っていながら報告を怠り、公表もしなかったことを問題視。混乱を招いたとして、昨年2月に亀田ジム会長とマネジャーにライセンスを更新しないという事実上の資格剥奪処分を科した。
http://www.sanspo.com/sports/news/20151018/box15101805000001-n1.html
サンスポ 2015.10.18 05:00
【矢尾板貞雄】
興毅引退は当然の流れ…試合勘低下し「らしさ」全然見られず
負けた興毅が引退を表明した。自分の限界を痛感したのだろう。まったく興毅らしさが見られない試合だった。
国内で活動できなくなり、昨年から拠点を米国に移した。新しいトレーナーから指導を受けていると聞いた。どんな風に変わったのか、楽しみにしていたが、スタイルはまったく変化していなかった。それどころか、以前に比べて全体的にレベルダウンしたように見えた。試合では以前よりも手数は少なくなり、パンチの的確性も低くなっていた。
最も低下していたのは、やはり試合勘だ。相手の動きに対する反応が悪く、それほどスピードのない右ストレートをかなりもらっていた。試合から1年近く離れた上、スパーリングなどの実戦練習も十分に積めなかった影響だろう。
どんな優れたボクサーでも、これだけ長いブランクを簡単に埋めることはできない。まして、来月には29歳になる。数年前から伸び悩んでいた興毅は、もう伸びしろがないと感じ取っていたのだろう。引退は当然の流れだ。
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