2023年12月23日土曜日

究極ボディーをゲット

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井上尚弥“八重トレ”で体重が増えてもスピードが落ちない究極ボディーをゲット「つまり状態は前回より上」

2023年12月23日 5時0分スポーツ報知 # スポーツ# ボクシング

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座統一戦12回戦 WBC&WBO王者・井上尚弥―WBA&IBF王者マーロン・タパレス(12月26日、東京・有明アリーナ)


 日本男子2人目の世界4階級制覇を成し遂げた井上尚弥。階級アップを念頭に入れて、バンタム級だった2021年秋からは、元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナー(40)の指導を受け、さらなる肉体強化を図っている。“八重トレ”は単なる筋肉強化ではなく、体全体を連動させてパンチの破壊力をいかに増大させるかというもの。体重が増えてもスピードが落ちないという、理想的な“不条理”がモンスターをさらに強くする。

 まるで筋肉のヨロイを着けたような井上のボディー。大橋秀行会長(58)はほれぼれするような目で見つめる。「今回は練習量が増えた。それもまた進化です」。ここ数試合は70~80回だった実戦練習が116回に増えた。「バンタム級では体重を落とすためだけの練習もあったが、今回は試合のためだけの練習。スーパーバンタム級の体になっている。普通、階級を上げればスピードは落ちるが、体重が増えてもスピードは生きている」。それを可能にした一つが八重トレだ。

 バンタム級だった21年11月、井上は「まだまだ筋肉はつけられる」と、今後の階級アップも念頭に八重樫氏へ指導を願い出た。同氏は自身の経験や様々な専門家のもとへ足を運んで知識を蓄え、独自のトレーニング法を考案。当初、井上には「できない動きもあった」という。ボクシングに特化した動きは抜群だが、バスケットボールなどの球技は「普通だった」。だが、適応能力も高く「すぐにできるようになった。できない動きをやれるようになることは、そのまま彼の“幅”になる」(八重樫氏)。

 当初は練習のきつさに、井上は筋肉痛を訴えてスパーリングを休んだこともあったが、八重トレを重ねるうち、成果が表れた。1か月後のディパエン(タイ)戦の前にはSNSで「体脂肪率は3%ジャスト」と明かしている。

 「筋肉をつけたからといって、パンチ力が上がるものではない。同じ体重同士で戦うのだから。体重をどれだけパンチに乗せられるか、なんです」と八重樫氏。キャンバスをしっかりと足でとらえ、腰→上体→腕と動きを連動させることで、無駄なくスムーズに体重が乗ったパワーが拳に伝わる。「トレーニングにはそれぞれの目的があり、その時に必要だと思う練習をさせる」。規定体重は1・8キロ増えたものの、それは筋肉量につながるから、スピードを落とさずにパワーも増す“不条理”が成り立つのだ。

 井上もそれを自覚している。「フルトン(7月、米国)戦から、コンディション作りに伸びしろがあると感じていた。転向2戦目の今回は、より筋肉量を残しながら減量している。調整の段階で動けています。つまり(状態は)前回より上」。井上には勝利の2文字が見えている。(谷口 隆俊)

 ◆八重樫 東(やえがし・あきら)1983年2月25日、岩手・北上市生まれ。40歳。黒沢尻工3年で高校総体、拓大2年で国体優勝。アマ戦績は56勝(15KO・RSC)14敗。2005年3月にプロデビュー。11年にWBA世界ミニマム級王座を獲得。13年にWBC世界フライ級、15年にIBF世界ライトフライ級王座を奪取し、国内3人目の世界3階級制覇を達成した。20年9月に現役引退。通算戦績は28勝(16KO)7敗。現在は大橋ジムのトレーナー。

大橋会長(左)とポーズを決める井上尚(大橋ジム提供)

大橋会長(左)とポーズを決める井上尚(大橋ジム提供)

■練習打ちあげ 〇…井上が22日、横浜市の大橋ジムで、世界戦前最後の練習を実施。練習を見守った大橋秀行会長(58)は自身のSNSで「バッチリの仕上がりです 26日楽しみにして下さい」などと手応えを口にした。井上は21日までに、2度目の抜き打ちドーピング(禁止薬物使用)検査を受けたことをSNSで報告。タパレス陣営も、ドーピング検査の模様を収めた写真などをSNSで公開するなど、ともに態勢は整った。


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