2019年12月18日水曜日

年齢を重ねれば、その分練習量を増やさなければいけない

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日本経済新聞 2019/12/17 10:43

「ボクシングを全うしたい」八重樫、2年半ぶり世界戦
ボクシングの元世界3階級制覇王者、八重樫東(大橋)が12月23日、横浜アリーナで約2年半ぶりの世界戦に臨む。2017年5月に初回KO負けで王座陥落、一度は引退に傾いたが「ボクシングがやっぱり好き」と踏みとどまった末にチャンスが巡ってきた。ミニマム級、ライトフライ級、フライ級でベルトを巻き、数々の名勝負を紡いできた男も36歳。「どういう形でボクシングを卒業するかを考えてきた。命を懸けて戦いたい」と最後の挑戦に向かう。
10日に練習を公開した八重樫の上半身は、来年2月で37歳とは思えないほど筋骨隆々だった。今もジムでの練習に加え、フィジカルトレーナーに師事して体をいじめ抜く。当人は「年齢を重ねれば、その分練習量を増やさなければいけない」とこともなげに言い、ジムの大橋秀行会長も「あの練習量を見ると、辞めろと言えなくなる」と"引退勧告"をぐっとのみ込んで見守ってきた。
井岡一翔やローマン・ゴンサレス(ニカラグア)ら強豪と好試合を演じ、ついた異名が「激闘王」。2年前に負けた後は、ダメージの蓄積を心配して引退を勧める周囲の声も少なくなかった。八重樫自身も「一度は引退しようと思った時期もあった」と振り返るが、「ボクシングを全うしたいと思ったのが続けた理由」という。
今回挑戦する国際ボクシング連盟(IBF)フライ級王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)は同学年にあたる37歳。「モチベーションが湧いたというか、タメには負けたくない」と八重樫は笑う。もっとも、昨年大みそかに坂本真宏、今年5月には黒田雅之を退けている歴戦の強豪だ。
ボクシングをさせたら相手が上。となると、今回も行き着く先は激闘か。「難しい試合になる。顔は腫れると思うけど、被弾はあくまで勝ちへの布石だと思っている。そこから自分らしい戦いをすれば突破口は見えてくる」。勝てば、長谷川穂積の35歳9カ月を更新し国内男子最年長の世界王座獲得となる。

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