イーファイト 2018/08/17(金)UP
八重樫東、棒立ちになるピンチから逆転のTKO勝ち
大橋ジム
「第64回Phoenix Battle」
2018年8月17日(金)東京・後楽園ホール
▼スーパーフライ級 3分10R
〇八重樫東(35=大橋ジム/世界3階級王者)
TKO 7R 2分55秒 ※レフェリーストップ
●向井寛史(32=六島ジム/前WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王者、WBO世界同級14位)
八重樫はミニマム、ライトフライ、フライ級の世界3階級を制覇。2017年5月にIBF世界ライトフライ級王座を失ったが、日本人初の4階級制覇を目指して今年3月にスーパーフライ級で再起戦を行ってTKO勝ち。今回が2戦目となる。日本人選手と対戦するのは約5年ぶり。対する向井はこれまで2度の世界タイトル挑戦経験を持ち、WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王座を2度獲得。現在はWBO世界14位にランクインしている。
向井の連打に棒立ちとなった八重樫
1R、サウスポーの向井はジャブを多用。八重樫は体勢を低く潜り込むようにして、飛び込んでの左右ボディブローを放つ。
2Rもどんどん前へ出る八重樫は右ストレートを出しながら飛び込む。相手の右フックもらう場面もあったが前進を止めず左フックを当て返す。
3R、頭を低く下げて入り込んで左右ボディを放つ八重樫。クリンチが多くなるが、離れ際にパンチを当てるのが上手い。向井はワンツーで応戦するが、八重樫の圧力に疲れも見える。
この右ショートで八重樫が逆転
4R、執拗にボディを攻める八重樫が左右フックもヒットさせての攻勢。5Rも前へ出てボディを攻め続ける八重樫。しかし6R、向井の左ストレート、右フックをもらって一気にペースダウン。連打を浴びて棒立ちになる場面も。さらに連打をもらって後退した八重樫だったが、右のショートの強打をヒットさせて形勢は一気に逆転。今度は八重樫がラッシュをかけた。
八重樫の連打で、向井がロープにもたれかかったところでレフェリーがストップ
7Rが始まると同時に八重樫が仕掛ける。右の強打で向井を吹っ飛ばす。打ち合いになるが八重樫が向井のパンチをもらっても前へ出続ける。最後は八重樫の連打で向井がロープにもたれかかったところで、レフェリーが間に入ってストップとなった。
打ち合いと逆転TKOで大いに盛り上がった場内。八重樫は「疲れましたね」と言って観客を笑わせて「最高ですね。ボクシングが出来る喜びを噛みしめながらリングに立たせてもらいました。やっぱりボクシングは最高ですね。お互いに年齢も年齢で、退けない勝負でしたが、自分の持ち味がそこで生きると思っていたのが結果につながりました。僕は僕なりのボクシングがあるのでそれをさせてもらいました」と語った。
この試合を世界前哨戦と見る向きも多かったが、八重樫は「(4階級制覇)したいけれどなかなかハードルは高いと思っているので、今日のような内容だとまだもうひとつ足りないと思います。みんな強いので。でも、いいタイミングでやれたらいいなと思います。もう少しだけボクシングしたいので、これからも応援よろしくお願いします」と、慎重なコメントを残した。
https://bit.ly/2PhTqUx
猫とボクシングと私 2018.08.17
八重樫、激闘型で向井下す!清水「実家被災」を超えたKO防衛!
8・17東京・後楽園ホール「フェニックスバトル64」
▼10回戦
IBF世界Lフライ級5位・八重樫東(大橋) 7回2分55秒TKO WBO同Sフライ級14位・向井寛史(六島)
▼東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・清水聡(大橋) 4回2分43秒TKO 同級10位・河村真吾(堺東ミツキ)
▼8回戦
日本フェザー級12位・溜田剛士(大橋) 2回1分33秒KO アリエフ・ブレイダー(インドネシア)
中嶋一輝(大橋) 5回終了TKO 藤岡拓弥(VADY)
中澤奨(大橋) 3回2分28秒TKO アーマド・ラヒザブ(インドネシア)
八重樫は接近戦を狙うも、向井が右回りのジャブで距離を取る展開でスタート、初回終了間際、八重樫はボディで強引に詰めた。2回、飛び込む八重樫に、向井もストレートで止めようとする。八重樫は被弾上等の正面突破なところに不安があるが、打ち合いに持ち込んでいて、3回も密着してのボディで迫った。これにやや押され気味の向井は、連打を当てるも距離を崩され威力は半減。4回、八重樫の狙いどおり、向井の動きが落ち、ラウンド終盤には何度も右を打たれコーナーに下がった。5回、さすがに前進を弱めた八重樫に、劣勢を変えようと手を増やした向井。ただ、威力が弱めで八重樫の一発に怯む場面もあった。6回、再び前に出た八重樫だが、ここで向井が左ストレートをクリーンヒット。そこからのラッシュで元世界王者の動きを止めたが、八重樫の右一発でまた一転。スリップダウンした向井に、八重樫がラッシュしてゴング。7回、早々に仕掛けた八重樫に、カウンターを打ちながらも消耗が見える向井。八重樫の猛攻に耐えていたが、拍子木が鳴った後に崩れかけレフェリーに救われた。八重樫は被弾も多かった激闘の勝利ゆえ、スーパーフライ級で4階級制覇を狙うとなると、向井よりパンチのある選手がゴロゴロいることに今後の不安もあるのだが、さすが世界戦キャリアの差を感じさせた試合ではあった。「やっぱりボクシング最高」と八重樫。「いまボクシング界ゴタゴタしていますけど、ひとりひとりのボクサーは頑張ってますので、応援してもらえたら盛り上がると思います」と、ここでも元世界王者らしい、視野の広いコメントを残した。
清水は初回、果敢に出てきた河村にスピードと手数で先制されたが、さすがメダリスト、強めの被弾があっても落ち着いた表情でじわじわプレッシャーをかけつつ、距離を測っていた。2回にはそれが生きてカウンターを当て、リズムあるジャブ、ストレートを的確に当てて逆転。3回、ダメージのありそうな河村が必死の応戦、清水はときどき被弾ありながらも正面からもらっておらず、リターンのパンチも強くて、ほぼワンサイドの様相に。4回、力がなくなってきている河村が前に出てきたところをの左でダウンを奪った。左ボディからの追撃ラッシュでレフェリーがストップ。終始冷静だった清水。試合後、いつものユーモアを控え、「序盤は来ると分かっていたので、相手の疲れを待って行こうと思っていたら、河村選手ガッツがあってやりにくかったです。西日本の豪雨で実家が跡形もなく流されて気分が沈み、練習ができなかったこともあったんですが、総社市の市長から世界チャンピオンになったらパレードをやろうと言われたので世界を獲りたい」と語った。被災に加え、アマ問題でも他人事ではない部分があるなど、メンタルが心配されたが、むしろ心の強さを見せた試合だった。
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