2017年1月6日金曜日

ミラン・メリンド戦

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ファイティングナビ 2017年1月6日
八重樫東VSミラン・メリンド
本来義務の指名戦だったものだし、八重樫もダメージ少なく試合に勝ったのでこの試合は確定でしょう。
八重樫自身も「相手が決まっていた方がやりやすい」と。これはビッグマッチではないですが、骨のある相手という点でここをクリアすれば八重樫の今後を占える大事な一戦となりそうです。
年末の八重樫の試合に対する印象は人それぞれのようで、長谷川などは「自分だけ一方的な激闘王スタイル」と八重樫を絶賛してましたが、単調な相手に好機をなかなか作れず歯がゆくつまらないと感じた人が多いのもわかります。
個人的には
「これが八重樫だ」という先入観があったので、見事な試合だったとおもいます。また観たいとはおもわないが。
試合記事で何度も書いたが、八重樫はスマートなボクシングができるが精度が悪い。
リーチが短いので相手のジャブが届く距離に身をおくせいもあり被弾も多め。
上半身の筋肉がつきすぎているせい?でパンチがややオープン気味でインからの鋭いパンチは精度がよろしくない。
パワーはあるとおもうが、ドスン系でキレとは違う印象。ハードパンチャーではないでしょう。
井岡とやった試合が明瞭でコンデイションはよかったとおもうが、距離を支配され、自身はファイター化。結果、余計なジャブを食い視界が塞がるという・・・
それでも大接戦でこれが彼らの実力差だろう。互角に近い。
なので、八重樫がアグレッシブなファイター寄りに戦おうが、スマートなボクサーよりでやろうが、試合中近距離での打ち合いに突入する可能性は非常に高い。
ならば序盤から自分で仕掛けてファイトするのではなく、足を使いボクシングをしながら相手の動きを探り、相手から前に出ざるをえない後半勝負で戦術をチョイスすればいいだけだとおもう。
ジャブを食わず、目を腫らさなければポイントリードできるスマートさはある。ロマゴン級のプレッシャーはきついだろうが。
基本はこのやり方でいいような気がするのだ。
後はこれが機能しなかった時、本能で打ち合いたくなった時どうするか・・・
対する、メリンド
35勝12KO2敗(KO負けはなし)
フィリピンではとても優秀なエリートだったらしくローカルアマの試合では2度の金メダル。
アマ500戦!を超える試合を経て17歳でプロに。世界王者を約束されているようなキッズだったよう。
確かに筋はいい。パンチは常に立体的でコンビネーションが美しく上下の打ち分け、左ボディも的確。
総合的な完成度は八重樫より上かもしれない。
対するファーランは日本でもなじみの選手で井上弟には負け。(体格・パワー負けだろう)
高山には負傷で逃げられ、フラフラの宮崎をKOしたが宮崎が好調でも勝っていただろうとおもう。
地力はあるが非力で王座を掴みきれないレベルか。
そんなファーランもメリンドの完成度の前に劣勢で判定負けはしたが、結構伸び伸び戦っており善戦といえる内容だ。
試合後顔がきれいなのもファーランの方。
メリンドは完成された様式美はあるが、小さいのだ。157センチ、リーチ162センチとある。
だから、調整試合は問題なくとも世界トップレベルと戦うと体格負け、体力負けしてしまう部分がある。
エストラーダに判定、メンドサには荒っぽい内容で(負傷決着)だが、これら体力で勝るメキシカンには圧力負けだ。
完成度は非常に高いけど、スケールがミニマムだ。
数値では八重樫も大差ないけど、達者なメリンドの距離で激闘するのはよろしくない戦法だとおもう。
KO率も決して高くないメリンドだが、フィリピン人のKO率はあてにならず、八重樫の方がパワフルとはいえず、日本人の方がスピードがあるという神話も通じない。アマ500戦を超える天才キッズなので引き出しもキャリアもメリンドが上だろう。
この相手に勝つには、やはり精度は悪くとも距離をとってのアウトボクシングでいかにコントロールできるかだ。
小柄なメリンドの鋭い攻撃は怖いが、所詮距離を詰めて前に出ないと当たらない射程の短いものだ。
この相手なら、必ず打ち合いのシーンは訪れる。その時いかに余力を残して相手の動きを読んだ状態で打ち合いに挑めるかが鍵だ。
サマートレック戦は最終回にやっとレフリーストップがかかった。
相手が倒れたわけではないが、余力を残した八重樫の攻めは迫力があり、うまく力の抜けたスイング気味のパンチはパワフルにみえた。
ああいう余力が残った状態での強引な攻めだけは八重樫パワフルだなぁとおもう。
それが、ボコボコ打ち合い、ヘロヘロになった最終回だと観てて辛いものがある。
格下相手だと一撃カウンターも上手い八重樫だが、前に出てくるメリンドとはいえなかなか難しいだろう。
中盤から後半、つまらない展開でもいかに余力を残してそこにいけるかが試合のポイントであるとおもう。
メリンドには前進アタックしかない状態で
八重樫はアウトでもインでも対応できる状態
これがキープできればこの難敵もきっとクリアできるだろう。
でも予想は今のところ6-4でメリンドかな。
エストラーダと競った試合を演じたメリンドとやる、予想は互角か不利。
いいマッチメイクじゃぁないですか。
この頃はメリンドという天才がいよいよ世界を獲るようなムードもチラホラありました。
アマ500戦以上、プロ28戦全勝で世界初挑戦ですからね。
積み上げてきたものが違います。

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