2016年12月22日木曜日

トレーニング

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ボクシング・マガジンのtwitter ‏@boxing_magazine 2016.12.22 19:30
八重樫東(和田良覚トレーナー)、田中恒成(河合貞利トレーナー)に続く『トレーナー・ストーリー』。その第3弾は、内山高志(土居進トレーナー)編!
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大晦日に大一番
内山高志(ワタナベ)の“挑戦”
 現在発売中の本誌1月号のロングインタビューを読んでいただければわかるとおり、今回の“復讐戦”に臨むにあたり、内山高志のボクシングは変貌を遂げている。
 両腕をやや絞り、打ち終わりにはガードを掲げ、上体を振りながらリズムをとり、リターンブローを放つタイミングを計る。
 防御動作は、これまではステップワークと、スタンスを広げたスウェーバック主体だったが、ブロッキング、ヘッドスリップ、ダッキングも多用するようになっている。
 高校から始めたボクシングキャリアは20年を超えるが、その“原点”を思いだしたかの如く。内山は繰り返し繰り返し、基本動作を徹底的に体になじませている。端から見れば気の遠くなるような単純動作。けれども、彼は忘れかけていた“ギラギラした感覚”を日を追うごとに増しているよう。その姿はさながら黒豹のようだ。
「負けた相手とすぐに戦えるというのはチャンス。あんな負け方をしたから、世間では『不利』って言われてますよね。今までそういう試合はなかったし、自分の中でもこんな感覚は久しぶり」
 だから楽しいのだと、笑顔を見せる。変な力みもなく、かといって作ってもいず。自然にこぼれ出る表情だ。
 内山とて同じ人間だ。もちろん、少なからず不安はあるだろう。しかし、内山高志という漢は、今まで同様、決してそんな姿を微塵もさらけ出しはしない。そして今回はそれよりも、自分を打ち破った男と戦える喜びが上回る。嬉しさは決して出し惜しみしない。加えて、青かった、清々しかった、ボクシングを習いたての時代。その感覚も甦っているのだろう。
 ジムワーク、スパーリングを見た後、試合までひと月の時点で東京・新宿にある『Sky Live-R』を訪れた。内山のフィジカル指導を長年見続ける土居進氏によるトレーニング、通称“土居トレ”を見に。
「今まではいいパンチが当たれば終わってました。だから、その後のことが見えてなかったのかもしれないですね。4月の(ジェスレル・)コラレス戦で初めて、右ストレートの打ち終わりにあんなふうに打ってくるんだと勉強したというか……。得意な攻撃をした後こそ、ある意味不安定になる。そのときこそ、きちっと対応できるようにしておかないと。打ち込まれたときに怖いなと。そのための下半身づくりをしようと」
 ハーフのバランスボールに乗り、ダンベルプレートを抱えて、重心を何度も何度も沈める。オーソドックス、サウスポー、そして両足をそろえて。いずれもスタンスを広げてのそれは地味な作業だが、股関節や内転筋にじわじわと負荷をかけていく。
「元々、体力測定の数値は高いレベルにありましたが、筋力に関してはそこまで強くはなかったんです。今はかなり上がりましたが、それでもまだまだ伸ばせる部分はある」と土居氏。内山が日常的にすり足で歩く話をすると、「内転筋などを意識して歩いているとしたら、自分でも弱いと思っているのかな。だとしたら、お互いの考えが一致しているということで安心です」と土居氏は笑みを浮かべた。
 ロングスタンスでかわし、そして打つ。軸足の強さがそれを支えてきたが、「今度は僕の素人的な考えですけど、今までのように出して届く相手じゃない。コラレスは動きますし速いので。だからどうしてもステップインしたときに、スタンスがさらに広がる。じゃあ、また元に戻ってじゃなく、その状態で戦うことを想定していると思う」(土居氏)
 よりいっそう踏み込み、その状態でバランスを崩さず下半身を安定させる。しかもコラレスの当たりに負けないように。攻防のポイントを“前に置く”。そのための試みだ。
 同時に取材していたテレビ東京のインタビューに、「コラレスに勝てる体を作る」と土居氏は語った。それは、「内山さんが、自分の思い描いている攻撃やディフェンスをスムーズに出せるようにすること」と土居氏。その後スパーリングを重ねる内山、公開練習での動きなどを見るかぎり、着々と、準備は整いつつあると感じる。
 内山は、「いろいろと器具を使ったトレーニングも重ねているけれど、いちばん手応えを感じているのはパワーマックスですね」という。スタミナ面での実感があるのだろう。これについて土居氏は説明する。
「元々体力測定の数値が高いので、パワーマックスで劇的に変わったかどうかは本人のなかでしかわからないですね。それよりも私が感じるのは、数値が“伸びる”よりも“落ちない”こと。世界タイトルを獲った(2010年1月、当時30歳)ころから、普通だったら落ちていくはずだけれども、キープ、あるいは少し上がってるんです。これは、20代の子が伸びていくよりも大変なこと。そういう意味で、試合のときにガーッと行っても回復するんですね。これは本当に凄いことなんです」
 内山のスタミナについて、土居氏は自信満々に太鼓判を押す。そして、今度の試合ではそこも重要な分岐点になると予想する。
「6ラウンドくらいから、コラレスのあのスピードも落ちてくると思う。前回に関していえば、あのスピードを維持し続けるトレーニングは、してきてなかったと思う。あの体を見ればわかります。もちろん今回はどうかわかりません。でも、もしスタミナトレーニングをしてきてなかったとしたら、その部分で内山さんにグンとチャンスが出るときがあるはずです」
 内山と同じく、土居氏にとっても“初黒星からのリベンジマッチ”。しかし、これもまた内山同様、土居進というトレーナーからも嬉々とした笑みがこぼれる。
 目の前に立ちはだかる壁が高ければ高いほど燃える。歓喜あふれる。そういう性質でなければ、闘争の舞台には臨めない。常人には計り知れない、神聖な領域である。

ボクシング・マガジン
12月20日 ·  ·
スパーン、ズドーン──。
父・田中斉トレーナーが持つミット、プロテクターが、心地よい衝撃音を奏でる。
 それは、ここ数戦苛まれていた右拳、手首の不安が解消されたことを意味する。
ジムワークでは右をまったく使わず、左1本で終えることもままあった。
 試合にぶっつけ本番というときもあった。
使いたくても使えないもどかしさから解放され、田中恒成の全身からは、喜びがほとばしって見える。
「手首を痛めたのは、肩の周りの筋肉が硬くなってきて、打つときに肩を上げたくても上げられなくなって、変な角度で上げて打っていたから」
 プロデビューからフィジカルトレーニング指導を中心に、食事、減量に関してもつぶさに見つめてきたK.B.S TRAINING GYM(愛知県名古屋市)主宰の河合貞利氏が説明する。5月のノンタイトル戦以降は、「手首の強化。そしてベースの筋肉は持ち合わせているので、細かい部分とのバランスを取ろうと。重心の置き方、体幹強化。シンプルに腹筋。恒成は体の使い方が上手いので、腹筋を使わないでも、いろいろと動けてしまうので(笑)」
 だから、かつて見たような激しいトレーニングではない。けれども、動きひとつ一つが実に細やか。2台のタブレットにスケジュールされたタイム、インターバルにしたがって、次から次へとサーキットトレーニングが目まぐるしく変化し続く。
 田中恒成は、普段の取材、それ以外の会話でも独特の発想力、表現力を持っている人物だと感じている。そして、当然のことながら、強い“己”を持っている。だからきっと、納得しなければやらない。裏を返せば、納得したらとことん邁進する。
「恒成は非常に賢い子。だから、自分でも本を読んだりして勉強するし、わからないことはもちろん訊いてくる。それに対して、雰囲気とかイメージだけで聞くタイプではない。
 試合では、直感的な動きをするように感じるかもしれませんが、ものすごく準備をして臨むタイプですから。だから、すべては想定内の動き。それでも、何事においても想定外のことは起きる。理論で通じないこともある。それに対する対応能力を備えていかなければ。すべては経験です」
 大晦日に迎える今度の試合、名古屋のジム近くにひとり暮らしする恒成は当初、「当日会場のある岐阜入り」する予定だった。が、それをやめた。
「いちばんくつろげるのは自宅かもしれないけど、この先、アメリカやメキシコ、マカオに行って戦うこともあるかもしれない。海外だったら、1週間、10日前から入って、それこそ日本食もない。それを考えれば、予行演習だと思って前日入りすれば? と。決められたルーティーン、決められた食事でしかできないではなく、名古屋から岐阜に行って、岐阜で泊まって岐阜で食事をして試合をするというのもいいんじゃない? と」(河合氏)。その進言に、田中恒成は納得したというわけだ。
「少し先の準備と現実の戦いを同居させながら、将来を見据えてやっている。この1年で、しっかりとまたワンステップ。チャンピオンらしく、ボクサーらしくなってきた」と河合氏。その話を本人にぶつけると、「初めて褒められた気がします」と、照れ隠しのクールスマイルをしてみせた。
 畑中清詞会長、父、石原英康先生……。“ボクサー田中恒成”を支える人物は数多いるが、河合氏もかなり重要な役割を担っている。それは、トレーナーとしてだけでなく、何気ない会話の中で、恒成の発想に火を灯す役割としても。
「こういったトレーニングも、『なぜそれをやらなきゃいけないのか』って常に考える。そして元々、ボクシングとリンクさせるのが上手かったけれど、今回はこんなことがありました。
 恒成の体の長所短所の話をしていたときに、『長所は必ず短所を生んでいる。長所短所は表裏一体。長所を考えすぎると、必ず短所を見失う』って話をしたんです。すると、発想の転換をしたんでしょう。(モイセス・)フエンテスのプレッシャーへの対処に置き換えて考え出したんです」
 その一端は、本誌1月号のインタビューで恒成本人が語っているが、きっと彼の中では様々な光景が目まぐるしく錯綜し、ひとつ一つを丁寧に整理しているはずだ。
「この1年で本当に大人になった」。河合氏は、穏やかな表情をたたえながら、マットに倒れ込む恒成を見つめる。
 成功も失敗も。大きな躓きも微細な乱れも。すべてを“経験”として、日々成長を遂げる田中恒成。その21歳の“進化した姿”を目の当たりにするのが本当に楽しみだ。
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12月3日 0:23 ·
八重樫、驚異の200kg挙げ!
 30日にIBF世界ライトフライ級王座の2度目の防衛戦(vs.サマートレック・ゴーキャットジム=タイ)を迎える八重樫東(大橋)。左肩負傷により、9月の試合をキャンセルしましたが、そのケガもすっかり癒え、満を持して年末の試合に臨みます。
 いまやすっかり知られたことですが、八重樫はジムワーク以外に野木丈司・白井・具志堅スポーツジム・トレーナーの『階段トレーニング』、そして和田良覚さんとの『フィジカルトレーニング』で鍛えております。
 その『和田トレ』では、徹底的に“体の使い方”を染み込ませ、デッドリフトをナロースタンスでなんと200kgを持ち上げてしまうほどに──。
「いま56kgの八重樫君がこの重さを持ち上げてしまうのは体重比率的にも驚異的なこと。錚々たるメンバーが集まるここ(ゴールドジム)でも話題になっています」(和田氏)。
 しかも八重樫はベルトを装着しない! 本来は「腰を痛める」と、トレーナー陣も二の足を踏むそうですが、八重樫の体の使い方が素晴らしいため、和田氏もゴーサインを出しているのです。
「ケガをするかしないか、ギリギリのところで鍛えることに意味があるんです。ハイリスクだけどハイリターン。僕はそれを求めてますから」と八重樫も納得のトレーニング。
 ところで体の使い方とは──。
足の裏からハムストリングス、お尻、骨盤、股関節、内転筋。
下半身のパワーを上半身へと“伝達”し、下半身と上半身を連動する仕方。単純に腕だけで持ち上げようとするとまったくビクともしないし、腰を痛めてしまう。上半身だけの力では、パワーは半減以下となってしまうわけです。
「意識をどこか1点に持っていってもダメ。体の使い方を“無意識に”できていないと挙がりません」(和田氏)
 これはボクシングのフォームにも当然通じますし、他の競技すべてにつながること。誰もが知っているものに体幹トレーニングがありますが、これも体の使い方を知らなければ、意味をなくしてしまうのです。
 ボクシングの場合、後ろ足で蹴って得た力を、上記の流れによって拳へと伝達しますが、その際大事なのが、骨盤に溜めること。
「よく、ヒザにウェイトを乗せろと言いますが、それでは前方に力が抜けてしまい、返しのパンチを打てなくなってしまうんです」と和田氏。実に丁寧にわかりやすく説明してくれました。
 ちなみに、いま話題の力士、石浦関も和田氏が鍛えている1人です。
 八重樫vs.サマートレック戦展望の本編は、15日発売の『ボクシング・マガジン1月号』にて。

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