2016年1月2日土曜日

丸8年間も、常に世界のトップレベルで戦い続けて

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村木田一歩“リングサイドコラム” 2015年12月30日 (水)
有明コロシアム・12月29日

1 井上浩樹君(大橋)×ジャクソン・コエラピー……SL 6R
デビュー戦のサウスポー、?歳・神奈川県と、
4勝(1KO)1敗1分の?歳・インドネシア。
浩樹君は井上兄弟の従兄弟なんだけど、アマ時代の通算戦績が112勝18敗の高校5冠なんだってさ。
結局、1R2分44秒、井上君のテンカウントアウトKO勝ちだったんだけど、最初っから呑まれてた相手のテイタラクさは別にして、井上君はこの階級にしてはとってもスピードがあってバランスも良かったし、やたら大振りするってことも無くて、テキパキした攻撃は見てて実に気持ち良かったんだわ。
開始35秒のチョン当てで早くもコエラピーがクラッとしてからはそれこそ一気で、残り45秒で右からの左フックでまずは初めのダウンゲット。
何とかリスタートはしたんだけどコエラピー、殆どやる気をなくしてしまったみたいで、井上君の更なる追撃に晒されるまま2回目のダウンで、役目は済んだって感じで座り込んだままのテンカウントアウトだったね。


3 松本亮さん(大橋)×ジャストニ・アウティダ……54.5㎏ 10R
16勝(14KO)0敗のWBO4位、IBF8位、WBC9位の21歳・神奈川県と、
9勝(3KO)5敗1分の国内1位、?歳・フィリピン。
この試合は2R1分49秒、松本さんが普通にTKO勝ちしたんだけど、初回に右目上をヒットカットされてたのはちょっとした誤算だったね。
この日の松本さんは立ち上がりは少し集中が欠けてるようなところがあって、意外に簡単に被弾してしまってたんだよね。
相手のアウティダっていうのはディフェンスが巧いっていう印象だったんだけど、2Rに入ってからは力関係というか格の違いが歴然としてしまって、松本さんの左フックてユラッとしてからはそれこそ一気の結末で、直後の再度の左フックでアウティダがダウン。
終わったなって感じがしてその後はよく見てなかったんだけどね……。


5 細野悟さん(大橋)×下田昭文さん(帝拳)
               ………日本 Fe タイトル戦 10R
29勝(20KO)2敗1分のチャンピオン、32歳・福島県と、
30勝(13KO)4敗(2KO)2分のランク1位、サウスポー、31歳・北海道。
この試合、5R終了時点で中間採点が発表されてから一気に展開が変わって、二人の精神的な揺れの差が大きく影響したとしか言えなかったなあ。
細野さんには往年の迫力が、下田さんにはイメージしてたスピードが、其々大きく欠けてたと言わざるを得なかったんだけど、それでもジャブ含めて終始細かく正確に当ててたのは下田さんの方で、5R終了時点での自分のスコアは49-46で下田さんだったんだけど、発表されたものは48-47×2、47-49って細野さんの2-1ってことで、自分は1R以外は全て下田さんだったもんでこれにはちょっと驚いてしまったなあ。
ジャッジの間でも5ラウンドの中で少なくとも2つのラウンドで評価が真逆になってて、これで評価されないんだってことで以降の下田さんは戦い方を変えざるを得なくて、自分の周囲の人達も、こうなると倒さないと勝てないなあってことで一致して、自ら必要以上に詰めた結果、細野さんのやり易い距離になってしまって、6R、7Rって連続して取り返されて左目上もヒットカットされてしまってたし、8Rにはそれほど事前の注意を受けることなくいきなりローブロー減点喰らって、徐々に焦りが目立ち始めて、手をこまねいたようなショートブローに終始してて、以前のような左フックを鋭く差し込むようには打ててなかったんだよね。
お互いに、6R以降は1~2発大きく振り出してあとはクリンチって展開が延々で、スムースでリズミカルなボクシングが全く出来てなくて、見てて心が躍るような展開とは程遠かったんだけど、細野さんにしても30歳を過ぎてからは正直劣化の一途を辿ってるとしか思えなくて、前回の防衛戦は多少体調を崩してたってことだったんだけど、この日もそれほどいいとも思えなくて昔日の面影が薄れてて、最早 “バズーカ” っていう紹介はそぐわなくなってるって感じだったんだわ。
自分は8Rを9-9ってして、9R、10Rを分け合ったって判断したもんで、下田さんのギリギリ95-94だったんだけど、ジャッジの一人も自分と同じように96-95ではあったんだけど、残り二人が細野さんの97-93、96-93ってことだったもんで、結局細野さんの2-1防衛だったんだよね。
下田さんも世界を獲った頃の跳ねるような動きは出来てなくて、だからこそもう少し違ったスタイルが見たいところだったんだけどね……。

6 井上拓真さん(大橋)×レネ・ダッケル
             ………OPBF SF タイトル戦 12R
5勝(1KO)0敗のチャンピオン、20歳・神奈川県と、
15勝(5KO)5敗1分のランク1位、24歳・フィリピン。
拓真さんは尚弥さんのボクシングとは全くの別物なんだけど、弟ってことで損してる場面が結構あると思うんだよね。
ダッケルっていうのは元々はUNITEDジムのボクサーで、以前渡邉秀行君に0-2負けしてるし、去年はOPBF11位の日本人と1-1だし、要するにそれほど大したボクサーではないもんで、今回くらいは手際のいい勝ち方を実は自分も期待してたんだけど、拓真さんはいつも通りリスク管理に長けた冒険をしないパフォーマンスだったなあ。
 相手が打って来れば引き、打って来ないタイミングを見計らって攻め込んで、一旦攻撃に入ればテキパキ感で圧倒してたんだよね。
 ダッケルがあれだけ大きく雑に振り込んでくるんだから拓真さん、たまにはその打ち出しや打ち終わりに合わせ打ってみればって思うんだけど、拓真さんは敢えて無理せずのポイント稼ぎに徹してたんだよね。
 ただ、そういうのもやれば出来るってことは最終回に彼も証明してて、ダッケルの右の打ち出しに右のショートをカウンターで合わせ打って、実に綺麗なダウンをゲットしたんだわ。
 残り時間は2分近くあったし、今日こそはって場面ではあったんだけど、再開後のダッケルはひたすらクリンチ逃げしまくってたし、拓真さんもキッチリ当て切れないままの終了ゴングで残念そうにしてたなあ。
で、結局、118-109×2、117-110って圧倒差の3-0で勿論拓真さん。

7 ハビエル・メンドーサ×八重樫東さん(大橋)
               ………IBF LF タイトル戦 12R
24勝(19KO)2敗(1KO)1分のチャンピオン、サウスポー、24歳・メキシコと、
22勝(12KO)5敗(2KO)のランク8位、32歳・岩手県。
 昔々、“あしたのジョー” に出てきたボクサーがホセ・メンドーサだったもんで、この日のハビエルもメンドーサにするけど、パンフにはメンドサってなってたんだよね。
 この試合は結局、120-107、119-109、117-111ってことで、八重樫さんの考えられないほどの3-0圧勝劇で、メンドーサのチャンピオンとしての実力が疑われたんだけど、スコア的には大きく乖離したものの試合自体は結構面白かったんだよね。
 結局はフットワークの巧みさとハンドスピードで八重樫さんが圧倒したんだけど、どれだけ直撃ヒットされても諦めないメンドーサの踏ん張りも大したモンだったし、そのメンドーサの予想以上の接近戦でのシツコサに対して八重樫さんも、最後まで根負けすることなくペースを取られることもなかったんだわ。
メンドーサはリーチも長かったし、懐も深かったもんで、試合開始直後はこれで八重樫さんのパンチが届くのかって懸念を持ったんだけど、そのメンドーサが意外なほど近い距離でやりたがってて、何だか勿体ないなあって思いながらも、左右のアッパーがそこそこ強烈だったし、そんなに巧くはなかったんだけど左右ショートはかなりの連続打ちが出来てて、巻き込まれると八重樫さんがヤバくなるところだったんだけど、ボディでも顎でもとにかくどっかに当たれって感じのアッパーを一つも貰ってなくて、ロープ際に追い込まれそうになると巧いこと体を入れ替えて難を逃れてたんだわ。
 1R、2Rに先行されたメンドサが3Rに攻勢度を上げてきて、若干力づくの強引なボクシングを始めたと同時に、八重樫さんのボディブローが決まり出して、それが思いの他大きな効果を生んで、4R以降の八重樫さんの組み立てを随分楽にしてたんだわ。
 その後のメンドーサはラウンド序盤は飛ばすんだけど最後までは続かなくて、ラスト1分からは八重樫さんのパフォーマンスが常に目立ってたんだよね。
腫れ性の八重樫さんはいつものようにまるで負けたボクサーのように、特に左目上が大きく腫れ上がってたんだけど、11Rの残り15秒からの八重樫さんのラッシュは圧巻で、その勢いの差がそのまま最終ラウンドに引き継がれて、残り1分05秒、八重樫さんの右フックが強烈ヒットしてからはほぼ一方手的で、メンドーサは八重樫さんに掴まり逃げするのに精一杯のまま終了ゴング。
 それにしても120-107っていうのは極端で、中盤過ぎのスリップダウンをノックダウンって勝手決め込んだみたいで、少なくとも7Rはメンドーサだって思ったモンで自分は119-111だったんだけど、結局は上記のスコアになったんだよね。
この試合のレフェリーはとっても小柄のオッサンだったんだけど、足に障害を抱えてるみたいで若干右足を引きずりながらだったもんで、軽い階級の動きの激しい試合だったせいもあって何回かぶつかってたなあ。
昨日のメインイベンターは井上尚弥さんで、“怪物” って紹介されるんだけど、八重樫さんは2007年にイーグル京和(当時)に顎の骨を折られてから丸8年間も、常に世界のトップレベルで戦い続けてて、“怪物” っていうのには自分にとって、八重樫さんのようなボクサーこそを形容する言葉だって思ってるんだよね。

8 井上尚弥さん(大橋)×ワルリト・パナレス
              ………WBO SF タイトル戦 12R
8勝(7KO)0敗のチャンピオン、22歳・神奈川県と、
24勝(21KO)6敗(4KO)1分のランク1位、32歳・フィリピン。

<1R>
パナレスの方が若干フレームがデカくて頭も小さくてバランスが取れてて、キレはないんだけど重そうなパンチを振り出してたんだけど、ラウンド序盤、井上さんにワンツーを軽くヒットされたら、いきなり歯を見せて 「そんなの効いてませんよお。」 ってポーズしてたんだけど、そういう素振りをするボクサーで強いヤツを見たことがないもんで、この時点で自分の中ではパナレスの負けが確定したんだよね。
 <2R>
拓真さんと尚弥さんの違うところがいきなり見えてきて、相手の危険な腕振りの中に敢えて倒し切るタイミングを見計らい始めてて、左ボディ、ワンツーで追い込んで返しの左フックを大きくヒットさせて、それ、若干グローブの上からの様にも見えたんだけど、被弾したパナレスが大きく揺らいで西ロープにヨロケたんだわ。
途端の尚弥さん、ここが勝負どころでしょって一気の攻め込みで、開始47秒、手際よく景気よく畳み込んでのダウンゲット。
 ヘロヘロになりながら立ち上がったパナレスには既に戦意は全く残ってなくて、どこが1位なのかってほど情けないボクサーで後は見てられなかったなあ。
 ってことで1分20秒、尚弥さんのTKO勝ちだったんだけど、今まで戦った相手の中では一番弱かったんじゃないかなあ……。
パンフにはパナレスってなってたけど、他の媒体ではパレナスってなってて、一体どっち?ってことだったんだけど、あんな情けないヘタレボクサーなんかどっちでもいいかってことで……。

【本日のベスト3ボクサー】
1 八重樫東さん
2 井上尚弥さん
3 井上浩樹君

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