2016年1月4日月曜日

前に向かって

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風音土香  2015-12-30
粘り強さの源
感動的な試合だった。
5Rぐらいまでは互角というより
八重樫東の方がパンチをもらっていた気がする。
両目は腫れ上がり、前に出てくる相手に間を詰められる。
一時はロープに追い詰められる場面もあり
本人も「ダメかなと思った時もある」とのコメント。
しかし後半はボディを明らかに嫌がってきた
相手のガードが下がってきたところにフックを打ち込む。
普通なら疲れから足が止まるところなのに
後半になるにつれて逆に足が動き、華麗なヒット&アウェイ。
最終12Rの相手はもう倒れる寸前だった。
結果は判定3–0の完勝。
勝った瞬間、今年亡くなったおばあちゃんの写真を両手に
八重樫は泣き崩れた。
岩手県北上市出身。
アマチュアからプロへ、そして世界チャンピオンへと
華麗な経歴とは裏腹に地味で堅実、真面目な性格。
打たれても打たれても、出血や腫れもものともせず
前に出て強打をヒットさせるそのスタイルは
決してスター性のあるボクシングではない。
(次の試合に2RKO勝ちした井上尚弥とは正反対)
それでも彼は前を向き、向かっていく。
家族を全員リングに上げ
子ども達の頭を撫で、血まみれの顔で末っ子を抱き上げ、
インタビュアーのマイクを借りると
誕生日が近い奥様にチャンピオンベルトをプレゼント。
見ていて、泣けて泣けて仕方なかった。
試合の粘り強さを、実況では「東北人気質」と言っていたが
岩手に住む親達も含め、家族を背負った強さだろう。
試合中とは違う
家族を見る優しい目が印象的だった。
ところで、敗れたチャンピオンも
八重樫の子ども達に声をかけていた。
これもまた感動的なシーン。
「八重樫は偉大なボクサー」というのが
試合後の敗者の言葉だったという。

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