2015年12月20日日曜日

年末世界戦7試合中、日本勢ただ一人のチャレンジャー

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佐藤彰雄の一喜一憂 2015-12-20(12:24)
苦労人のとことん“折れない心”
年末に控えたプロボクシングの世界戦7試合中、日本勢ただ一人のチャレンジャーが八重樫東(32=大橋)です。
昨年末(12月30日)のWBC世界ライトフライ級王座決定戦で世界3階級制覇を懸けてペドロ・ゲバラ(メキシコ)に挑みましたが、ボディー攻撃を受け7回KO負けとなりました。
それから再起戦2試合をはさんで1年ぶりとなる今回の世界戦(12月29日=東京・有明コロシアム)は、再び世界3階級制覇への挑戦、相手はIBF世界ライトフライ級王者ハビエル・メンドーサ(メキシコ)です。
2011年10月にWBA世界ミニマム級王座を獲得。その後、2012年6月に日本初の団体統一戦となるWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(井岡)とコブシを交え、壮絶な打撃戦の末に判定負け。が、この選手の凄いところは、これで引き下がらず、2013年4月のWBC世界フライ級タイトルマッチで王者・五十嵐俊幸(帝拳)を下し、2階級制覇を達成したことです。
八重樫は、その〈肉を斬らせて骨を断つ〉激しい戦いぶりから「激闘王」と呼ばれていますが、このファイターが持つ“折れない心”には、ホント、頭が下がります。
八重樫の世界初挑戦は、2007年6月(神奈川・パシフィコ横浜)王者・イーグル京和(角海老宝石)に挑んだWBC世界ミニマム級タイトルマッチでした。
失敗や挫折を生かしたボクシングを!
この試合で八重樫は、あごの左右両側を骨折しています。2回にイーグルの頭が当たったことが原因でしたが、試合後の診察では、全治6カ月と診断され、年内の再起が絶望となる事態となりました。
ボクサーという職業柄、ケガはつきものとはいえ、あごの骨折は、負傷の度合い以上に精神的なダメージが大きい、といわれます。
試合中の骨折には、鼻、手、頬骨、肋骨などがありますが、やはり生命線である大事なあごを折られるということは、プライド的なものを含めて心の痛手となって尾を引くのでしょう。
八重樫の場合、パンチで、ではなく、偶然のバッティングで、だったことが救いとなったでしょうが、再起に向けては逡巡があったことと思います。
もう一つ、八重樫の“男気”は、ローマン・ゴンザレス(ニカラグア=帝拳)の挑戦を受けたことでしょう。
WBC世界フライ級王座の4度目の防衛戦(2014年9月)で当時39戦無敗、強すぎて相手がいないゴンザレスを自ら指名して戦うことが決定。この一戦の前、八重樫は〈難しいことに挑戦するとき、最初に成功する可能性なんて10%以下だと思う。子供が自転車に乗れるようになるときもそう。でも、乗り越えられないものはない〉と覚悟を決めた名文句を口にしていました。
結果は、逃げずに激闘王らしく正面からぶつかって9回TKO負けでしたが、この男の心は折れることなく、失敗とか挫折を経験して、これからまだあるかもしれないボクシング人生に生かしたい、と前を向き、今に至っています。
今回の相手メンドーサは、サウスポーの好戦的なファイター、KO率も70%を誇っています。
八重樫にとって簡単な相手というわけにはいかないでしょうが、持ち前の激闘魂で日本人選手3人目の3階級制覇を達成してほしいものです。

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