2014年9月2日火曜日

ロマゴンへの挑戦

http://blog.livedoor.jp/hattoridou/archives/51946711.html
なにも思いつかないの記 2014年09月02日18:30
本年最大の勝負
 全国のボクシングファンのみなさま! 待ちに待った日が近づいてまいりました!
◆WBCフライ級タイトルマッチ(9/5@代々木第2体育館)
 
八重樫東(王者;大橋)×ローマン・ゴンサレス(同級1位;ニカラグア)
 いちおう、王者の八重樫が、挑戦者のローマン・ゴンサレス(通称ロマゴン)を迎え撃つ形です。
 しかし、全国のボクシングファンはちゃあんとわかっています。この試合についてはタイトル云々の問題ではありません。ロマゴンはこのクラスで文句なしに現役最強。また我が観戦生活でもリカルド・ロペスに匹敵すると思えるほどの超優秀なボクサーだと思っています。だから「八重樫の防衛戦」ではなく、「ロマゴンへの挑戦」なのです。
 このあたりの階級は、国内ボクサーにとっての主戦場です。実際、これまでにたくさんの世界王者を輩出してきました。しかし、ここ数年は、国内の誰かがタイトルを獲っても、心の底からは楽しめませんでした。なぜなら、タイトルなんか関係なく、最強のボクサーは、ローマン・ゴンサレスに決まっているからです。
 ミニマム~フライ級で無人の野を行くがごときロマゴン。誰かあいつにアタックしないのか。ここ数年の私の関心、またきっと全国のボクシングファンの関心は、この一点だったと思います。

 こんなバケモンとやる八重樫なわけですが、下馬評は当然のことながらロマゴン有利。私も異論ありません。八重樫の力がどうこうではなく、現状では、ロマゴンが誰とやっても「ロマゴン有利」としか言いようがないからです。
 だからといって負けるわけにもいきません。そりゃまあロマゴンと戦うだけで偉人ですが、勝ったらもっと偉人じゃん。ここはひとつ、ぜひなんとかしてもらいたい。
 そのために八重樫はどうするのか。つらつらと考えてみるに。
 ロマゴンは、基本的にはワンパターンなボクサーだと思うのです。プレッシャーをかけて追い込み、左のコンボで攻め立てる。相手の上体が立っていればボディから顔面。アタマを下げたらアッパー。カウンターでなくとも当たれば倒せる強打の持ち主なので、このパターンでKOの山を築いてきました。
 でも、逆に言えばこのパターンだけなんですよね。ロマゴンが日本で広く知られたのは2008年、初タイトルを獲得した新井田豊(横浜光)戦ですが、このときからパターンは変わっていません。
 そういう意味では、八重樫陣営としては対策が立てやすいと思います。ヤリクチはもうわかりきってますし、八重樫はインファイトからアウトボックスまでなんでもできますから、とっかかりはいくつかあるんじゃないかと。
 まあ、ここから先はプロの話なので、シロウトの私がどうこう言えるようなことではありません。
 しかし、一ファンの妄想として、とっかかりを考えるとするなら。
 ロマゴンは非常にオフェンシブなボクサーです。どんどん前に出てパンチを振るってきます。ただし、追い足そのものはあまり速くありません。
 いや、あれだけの身体能力の持ち主ですから、速く動こうと思えば動けるはずです。ただ、もうスタイルが決まっちゃってるのでしょう。スパッ! っと速く飛びこむのではなく、プレッシャーをかけながらズカズカと射程圏内に踏みこむ。あるいは進路をふさぐ。相手が射程圏から遠ざかると、同じ作業をくりかえすことになります。
 39勝33KOという戦績が示すとおり、このパターンで大半の相手を捕まえて倒してきました。が、捕まえきれなかったこともさすがにあります。たとえばこの試合。

 ミニマム級王者時代のロマゴンに、高山勝成が挑んだ一戦です。これ、負けはしましたが、高山の健闘がほんとうに光る試合だと思います。
 高山の戦略は基本的にアウトボックスですね。左右に細かく動き、またときには大きく動いて距離を取り、しかもしばしば自分から手を出しています。ふつうのアウトボックスよりもずっと手数が多い感じです。結果、最後までロマゴンは捕まえきれず、勝負は判定まで持ち込まれました。
 まあ、このときのロマゴンは減量苦が伝えられており、けっして本調子ではなかったようです。また当時はまだ22歳。あれから5年のキャリアを積み、引き出しは多くなっているはずですから、「この手でイケる!」とはとても言えません。
 それでもでも、基本的にはアウトボックスだと思うんですよ。身びいきではなく、八重樫はおそらく、ロマゴンのキャリアの中で、手・足ともに最速のボクサーでしょう。高山が遂行したような作業は八重樫にもじゅうぶん以上に可能だと思います。
 ただし、ヒット&ランで12Rしのげるとは思えません。なんたって相手は怪物ロマゴンですからね。ダメージを与えるようなパンチをときには差し込んでいかないと、ジリ貧になるのは明らかです。
 だからたぶん、基本的には足を使いながらも、ときにはある程度の打ち合いに応じる展開になると思います。そこで致命打をもらわずに後半まで行けたら、ポイントは拮抗しているはず。その時点でロマゴンが多少なりとも消耗していれば、後半に打ち勝つ可能性が出てくるんじゃないかと。そう信じたい!
 もうひとつ言うなら、ロマゴンの奇妙な傾向です。パンチは強くて多彩なんですが、中間距離で右を強く打ったときに、なぜか攻撃の手が止まりがちなのです。格闘ゲーム風に言うなら「硬化時間が長い」という感じでしょうか。
 史上最強レベルの左フックを持っているのに、右ストレートを打ったあとの、「返しの左」がほとんどありません。右ストレートのあとは左ジャブからコンボをやりなおす、もしくは接近してアッパーを叩きこむ。しかも、右ストレートを空振りしようもんなら、そのまま右足まで前に出てしまうこともあります。いわゆる「身体が流れてしまう」というヤツですね。
 オーソドックスの構えから左の連打はきれいにつながるのに、右から左はあまりつながらない。どうしてなんだろう。もう、マト外れ上等で書いてしまえば、ひょっとして、ロマゴンって左利きなんじゃないのかな……?
 まあまあ、左利きだろうが右利きだろうが関係はあまりありません。とにかく中間距離でのロマゴンは左の連射から入ってきます。合間に右がきたらチャンスかもしれません。ロマゴンの攻撃ターンはそこで終わりってことだからです。かといってどうしたらいいのか、私なんぞにはわかりませんが、八重樫ならなんとかするんじゃないかと。
 ただし近距離では右も大砲です。右アッパーで何人もブッ倒してますし、左のショートもきちんとつなげてきます。打ち合っちゃダメ~なんて言わないけれど、少なくとも中盤までは、アッパーの射程圏内から早めに離脱してほしいなぁ。八重樫に勝機があるとすれば、僅差のまま後半までもつれたときだと思うので。
 で、最終的に私が見たいのは、「やれることはすべてやった。あとは力勝負じゃーい!」という、八重樫の突貫です。後半まで行けたら、もう好きなようにヤッちゃってください。八重樫はすでにして私の中で偉人なので、結果がどうなろうが評価は変わりません。最後の最後まで見届けましょうともさ。
 んー、今回はいろいろ書きすぎちゃったなぁ。
 でも、それだけ楽しみだってことですよ。私にとって2014年は、八重樫がロマゴンにアタックした年として記憶されることでしょう。
 というわけでボクシングファンのみなさま。最強のボクサー・ロマゴンに、最高のボクサー・八重樫がアタックする9/5の大勝負を、ともに見届けようではありませんか!
 ……って。

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