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ボクシング・マガジン編集部 2019-12-29
「アキラ! 挫けるな!」──名王者カルデロンから八重樫東へ熱いエール。
イバンカルデロンIvanCalderón八重樫東ニュースコラムボクシングボクシングニュースボクシングコラム(インタビュー)
23日、IBF世界フライ級王座に挑戦し、9回TKO負けを喫した元世界3階級制覇王者・八重樫東(36歳=大橋)へ、来日中の元名王者イバン・カルデロンさん(44歳=プエルトリコ)から、熱いメッセージが送られた。
上写真=快く応じてくれたカルデロンさん(左)と、「びっくりしました。夢のよう!」と喜ぶ八重樫
今月上旬、東京で行われたWBO総会に、カルデロンさんが出席したことを、試合後の八重樫に伝えた。彼はかねてからカルデロンさんの大ファンだったからだ。
身長152cm。リーチももちろん短い。しかし、シドニー五輪にも出場した彼は、まるでゴム鞠のような動きで大きな相手を翻弄し続け、WBOミニマム級王座を11度、同ライトフライ級王座を6度も防衛する名チャンピオンとなった。身長が高くなく、リーチにも決して恵まれていない八重樫が、彼の活躍に勇気をもらったことは想像に難くない。
八重樫は、「えっ、カルデロンが来てたんですか! 会いたかったなぁ……」と、ことさら悔しがった。きっと、知っていても、大試合を控えていた身。泣く泣く断念していただろう。
しかし、31日に井岡一翔(Reason大貴)に挑戦するジェイビエール・シントロンのトレーナーとして、またすぐに日本に戻ってきたのだから、これはなんとかして彼の想いを伝えたいと思った。
幸い、メキシコ在住で本誌でも活躍している信藤大輔さんも来日していたから、さっそくスペイン語で話しをしてもらった。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との激闘を伝えてもらうと、「オー!」と言って大きく頷き、なんとメッセージ動画を撮らせてくれるという。
「私もたくさんの苦難を乗り越えてきたんだ」とカルデロンさん
「アキラ、挫けるな! 私も長いキャリアの中で、山あり谷ありをたくさん経験してきた。そしてそれを乗り越えて何度も防衛することができたんだ。だから、キミも今回の敗戦に落ち込まないで、必ず元気になって戻ってくるんだよ。期待してるよ!」
「キミも頑張れ!」と熱いエールを送ってくれた
さっそくこの動画を八重樫に送信すると、彼もまたすぐに動画で英語のメッセージを送り返してきた。
「ハイ! セニョール・カルデロン! 僕はあなたの大ファンです。メッセージをありがとう! グッドラック!」
ハ~イ! と嬉しそうに手を振る八重樫。腫れはだいぶ引いてきた
これをまた、カルデロンさんに見せる。そして、八重樫も井岡と戦ったことを添えると、「シー!シー!」と知っている様子。そして、隣にいたシントロンに、八重樫のことを説明しだしたのだった。
八重樫と井岡が戦い、その井岡の大学の先輩、佐々木修平トレーナーは、八重樫の岩手県の後輩。そして、井岡が戦うシントロンのトレーナーを務める八重樫の憧れの人──。世界とは、広いけれど近い。人間の不思議な縁、めぐりあわせを感じざるをえない。
八重樫は、試合から4日後、まだ両目周りの腫れが痛々しい状態なのに、ジムを訪れて軽く動いた。そして、あの激しい階段トレーニングにもすでに参加した。
試合後のダメージ、疲労を心配する声が噴出している。しかし、八重樫はもう、20年も戦い続けてきた男。コンディショニングに何度も失敗をして、その都度、経験として血肉にしてきた。疲労を感じれば休むことを優先する。それができるようになった。そんな男が、なにか思うところがあって動き出したのだ。だから、われわれが勝手な固定観念を振りかざす必要はないだろう。
だからといって、それが現役続行なのかどうかはまた別の話。そこは彼もじっくりゆっくりと考えていいと思う。いまはただ、八重樫東が元気に過ごしている、そのことが嬉しい。
※暁さんおかりします。カルデロン選手はいつか・・・思うことも・・・アキラさん、いつもありがとうございます。
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