2019年11月21日木曜日

「夢を実現。やりきった」田口、グローブをつるす

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日刊スポーツ [2019年11月20日17時17分

引退の田口良一「世界王者の夢を実現。やりきった」
元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(32=ワタナベ)が、現役を引退してフィットネスジム経営を目指す。
20日に都内で引退を発表した。2階級制覇へ3月にWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)に挑戦も判定負け。「世界戦に2連敗し、モチベーションが上がらなかった。世界王者の夢を実現して大満足。やり切った」と引退を決意した。
「きのうラーメン食べたんで、顔むくんでないですか?」。引退会見は田口らしい一言で始まった。田中戦から2カ月ぐらいで引退を決め、一番支えてくれた父勝良さんに真っ先に報告した。「4回戦でもスタミナなく、8回戦も無理だと思った。世界戦を戦ってきて、引退会見までするとは。今は不思議な感じ」との心境を口にした。
思い出の試合を問われると「1つに決めきれない。デビュー戦も、新人王も…」と、田中戦まで次々列挙した。中学でボクシング教室に通ったのが最初。横浜光ジムに入門も2ケ月で足が遠のいた。芝商高時代に通学途中で車窓から見たワタナベジムに入門。ヘルニアでブランクを作り、「5年でも成長の実感がなかった」と挫折の連続だった。
今やスーパースターの井上尚弥の存在が開花につながった。12年に高校生だった井上とのスパーリングでボコボコにされた。1年後に日本王者となると、初防衛戦で井上の挑戦を受けた。判定負けも連続KOを止めた。
「あの試合があったから世界王者になれた。それ以降の相手は井上より強くない。気持ちが楽になった」。陣営ではミニマム級で世界挑戦のプランだった。渡辺会長は「世界戦より井上とやりたいと言った。気持ちが強く、根性があった」と振り返った
14年にWBA王者アルベルト・ロセル(ペルー)に世界初挑戦し、ジム3人目となる世界王者になった。昨年にはIBF王者ミラン・メリンド(フィリピン)に判定勝ちで、日本人3人目の2団体統一王者に。初の統一王者で初防衛戦は判定負けで陥落も、7度防衛は日本人歴代8位タイを誇る。
引退後は大好きな麺類の飲食店を経営するのが目標に掲げていた。「好きなだけで無知。失敗してからボクシングに戻るのも…。経験と知識でジムの方が勝算がある」。近い将来にフィットネスジムを開くつもりだ。
現在はジムの先輩だった柴田明雄代表のSOETEジムでトレーナー修行している。「なるべく早くやりたい。プロのボクシングジムもやりたいと思うようになれば。軌道に乗ったら飲食店も」と、次の夢もあきらめていない。
前夜は漫画「はじめの一歩」の30周年記念トーナメントで、後輩の応援に駆けつけた。ボクシングに興味を持ったのは、親からもらった地域振興券3000円で、ゲームソフト「はじめの一歩」を購入がきかっけだった。会場で作者の森川ジョージと初対面し、記念撮影した。「現役最後でいい思い出ができた」と笑みがこぼれた。
戦績は27勝(12KO)4敗2分。12月10日の東京・後楽園ホールで引退式に臨む。10カウントゴングを聞き、グローブをつるす。

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