さうぽんの拳闘見物日記 2016-09-10 06:01:00
リング下から「生還」するも...小原佳太、ロシアに散る
エデュアルド・トロヤノフスキーvs小原佳太、5時頃から開始ということで、
運良くネットで生中継を見ることが出来ました。
結果、早朝から、ちょっと見られないような、衝撃のKOシーンを見ることになりました。
BSフジで後日放送ありますが、簡単に経過と感想。
国歌吹奏は両国国歌ともに歌入り。日本ではあまりないような。小原佳太は落ち着いて見える。トロヤノフスキーは割と物静かな印象。
初回、対峙した両者、上体の厚みはやや小原。体格はぱっと見て、思っていたより差が無い。
ただ、リーチがかなりあり、ジャブの長さがだいぶ違う。小原少し入れない時間帯。
小原は右ボディから左アッパーを上下に返す。少し打ち合い、トロヤノフスキーが手数でまさる。
軽いがヒットされる。しかし小原、右一発ヒット、好打。右相打ち、小原パワーを見せる。
調子よく手を出していたトロヤノフスキー少し下がる。
ヒットの数でトロヤノフスキーのポイントか。しかし小原も当てていけば流れを掴めそう。
2回、小原手応えあって落ち着いたか、右から左の返しをボディへ。
しかしトロヤノフスキー、ジャブの距離を取り直す。遠い距離から右クロス、小原のこめかみにヒット。小原効いて、ロープへ下がる。肘を上げた右フックがアゴに来てぐらつき、ロープからロープへ追われ、
アッパー気味の右でリング下へ叩き出されてしまう。
これは終わった、と思ったが、カウント20以内で青コーナーの階段からリング内へ戻る。
まさしく「生還」の図。
しかし再開後、こめかみとアゴを打ち分ける「上下の連打」でぐらつき、ストップ。ダメージは甚大、妥当なストップでした。
ただただ残念としか言いようがありません。
2回に食った右クロスは、多分これまでの対戦相手が出した、どのパンチよりも遠くから来て、
最も威力のあるものだったのでしょう。
ひとたび効かされてしまったあとの、こめかみとアゴを違う打ち方で狙ってくる追撃もまた、
過去の誰よりも厳しく、鋭いものだったと思います。
小原の身体がリングから落下したこと、そしてそこから再びリングに戻ってきたこと。
二重の驚きの前後に見られたトロヤノフスキーの「詰め」の見事さ。
滅多に見られることのない、強烈な印象を残すTKOでした。
これで勝者と敗者が逆だったら、歓喜の瞬間だったのですが、残念ながらそうはなりませんでした。
小原がまったく力及ばず、という風には見えませんでした。
初回後半、力強い右のヒットで、調子よく手を出していた王者の手が止まったあと、
2回早々まで、小原は徐々に、手応えを感じていたようにも見えました。
しかし、より多く手を出し、好打もあり、威力のある一打から一気に倒しきれる王者が
先に好機を掴み、そのまま勝敗を決めてしまった。
小原にもう少し、力を発揮する局面があってほしかったとは思いますが、これが勝負というものでしょう。
国内で日本、東洋を制し、米国のリングに進出して掴んだタイトル挑戦権をもって、
堂々と世界に挑んだ。その内容と結果は、あまりに衝撃的なものでしたが、
小原佳太でなければ、この挑戦に辿り着くことも、闘いうることもなかったわけです。
結果は残念でしたが、これだけ衝撃的な試合を見せてくれたことに、感謝さえしたい気持ちです。
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