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リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論 2018-05-14 23:11:44
ロマチェンコvsリナレス雑感
戦前、スピード対決と言われた対戦でしたが、表面的なスピードもそうですが、空間の使い方の次元が違って見えたというのが率直な感想です。
例えばハンド・スピード、フットワーク、攻撃から防御またはその逆の切り替わり。目に付くスピードはロマチェンコが少しだけ上回るものの、そんなに思った程、差がある様に見えない。
リナレスのパンチも単発ではあるが、パワー・パンチを随所で当てていた。ボディは効果的だったし、左がロマチェンコの顔を弾き、アッパーで顎を跳ね上げるシーンもあった。
6Rには右ストレートでダウンも奪った。
しかし・・・顔面が腫れあがってダメージが色濃く出てるのはリナレスの方だった。ロマチェンコのいつもの技巧と対峙するとリナレスですらオールド・スクールのボクサーに見えてしまうのが切ない。
つまりは付いていけない場面も多いのだ。あのリナレスをして。
ボクシングは距離の勝負であると言われる。
いかに効率的にパンチを当てるのかの勝負だから、相手のパンチが効果的でなく、自分のパンチが効果的に当たる距離を支配することが理想的だ。そして距離を取った競技者同士の間の空間を支配すること、空間把握能力が優れてるボクサーはまず打たせない。
正面で相対すると前後動。
ここに上下動を入れると縦の動きが出てくる。
距離が空いてれば斜め上、下と広がりを見せてくる。
そして横の動き、真横であったり、斜めに切り込んだり。
こうして構築した空間の座標軸に相手の頭やボディ等の標的がある。
そこに拳を置きにいくのだが、そこに行く過程をどう飛ばしていくか。
そのプロセスの省略こそがロマチェンコの強さの源ではないかと思う。
だからそれに追いついていけないリゴンドーやウォータースは試合を諦めたのではないか。ある種の絶望というか諦観を持って。
リナレスは彼らと異なり、試合を捨てるという選択は無かった。
やっと本場で掴んだビッグマッチである。下手な試合をしたら次が無いという危機感は高かったはず。だから序盤で顔面を捕えることが難しいのだから、あれだけボディを叩き、6Rに刹那のタイミングの右でダウンも奪って見せたのだ。
最後はロマチェンコの左ボディに10Rで仕留められてしまったものの、
シンプルなコンビネーションやパンチがロマチェンコを焦らせた様に今までの誰よりも追い込んでいたのは事実だろう。
もしかしたら、進化し過ぎたボクシングを攻略するのは徹底して磨き上げられた基本なのかも知れない。
あのロマチェンコのガッツポーズは見た目以上に追い込まれていたからこその気持ちの発露ではなかろうか。

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