東スポ 2014年09月06日 16時00分
八重樫にファイティング原田氏「史上最高」
愛娘の一永ちゃんを抱いた八重樫は思わず号泣した
ボクシングのダブル世界戦(5日、東京・代々木第二体育館)メーンのWBCフライ級タイトルマッチは同級1位の挑戦者、ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)が王者の八重樫東(31=大橋)を9回2分24秒TKOで破り、3階級制覇を達成。敗れながらも壮絶な打ち合いを展開した八重樫には、元世界フライ、バンタム級王者のファイティング原田氏(71)が「史上最高試合」の称賛を寄せた。
八重樫は勇敢かつ壮絶に散った。「もうタオルだろ、と思った。何か(事故が)あったら怖いから、早く終わらせてあげたかった」。同じ岩手県出身の元WBCスーパーフライ級王者、佐藤洋太氏(30)が思わずこう話すほど、八重樫とゴンサレスの激突は壮絶な打ち合いとなった。
王者がダウンを喫したのは3回に左フックを受けた時と、最後に連打で倒された2度だけ。だが途中は何度もフラつき、いつレフェリーストップ、あるいはセコンドがタオルを投げ入れてもおかしくない状況だった。それでも八重樫は立ち続けた。攻め続けた。この勇敢な姿勢にはプロアマ通算126戦無敗のゴンサレスも「パワフルだったし、スピードあるパンチは何発か効いたのがあった」と素直にたたえたほどだ。
そしてこの激闘に最高の評価を与えたのが、リングサイド最前列で観戦した元世界2階級制覇の原田政彦(ファイティング原田)氏だ。
「打たれたら、打ち返す。プロなんだから、これをやらなきゃ。お客さんはこれを見にきている」と八重樫を絶賛した原田氏は「今日は井上も村田も、それをできていなかった」と金メダリストと「怪物」をバッサリ。さらには「久しぶりに興奮した。こんなのは、何年ぶりだろう? 私が見た試合の中で『史上最高』といってもいいかもしれない」とまで絶賛した。
敗戦後の八重樫は「負けたら意味はない。今日はいい仕事ができなかった」と苦笑いしながら話した。後輩の井上がゴンサレス退治に立ち上がったものの、見る側に再戦を期待させるような名勝負だった。「僕は何回も負けてるから、また頑張りますよ」と八重樫。誰もが再起を待っている。
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/othersports/309651/
東スポ 2014年09月07日 07時00分
井上 激闘から一夜明けフライ級転向明言
WBC世界ライトフライ級王者の井上尚弥(21=大橋)が6日、フライ級転向を改めて明言し、WBC同級王者ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)との「怪物対決」に意欲を見せた。
井上は5日にサマートレック・ゴーキャットジム(29=タイ)をTKOで下し初防衛に成功。この日の一夜明け会見で「階級を上げて自分の良さを出せるように。最強の王者になってビッグマッチをやっていきたい」とタイトル返上し2階級制覇の目標を掲げた。
そのフライ級では前夜に軽量級最強の無敗男ゴンサレスが八重樫東(31=大橋)からベルトを奪取。ゴンサレスは井上との対決に意欲を見せており、怪物同士の激突が浮上中だ。大橋ジムの先輩・八重樫の敵討ちの意味合いもあることから、井上は「フライ級でしっかりやってからですけど。それまでロマゴンには無敗でいてもらわないと困る」と言い切った。
実際にゴンサレスに敗れた八重樫からは「尚弥なら勝てますよ。もしかしたら尚弥の空間で出来るんじゃないか」と期待を寄せられている。大橋会長も「1年後くらいに(いずれかの主要団体の)王者になって、王者同士でというのが一番いい」と最高の舞台を熱望。八重樫をはじめとした4人の日本人ボクサーをねじ伏せたプロアマ127戦無敗のゴンサレス打倒の悲願は、井上に託されたといっても過言ではない。
大橋会長によれば、今なお肉体が成長中の井上は、スーパーバンタムを上限とした6階級制覇まで見据えることが可能だという。日本ボクシング界の怪物・井上は、大いなる野望を胸に次なるステージへと進む。
一方、ベルトこそ失ったが、ゴンサレスとの大激闘で男を上げた八重樫には「ジムに激励の電話が殺到」(大橋会長)したという。今後に関してはフライ級にとどまる選択肢に加え、ライトフライやスーパーフライへの転向も模索していく方針。大橋会長はライトフライ級に下げての3階級制覇を狙わせる意向を示したが、当の八重樫は「皆がワクワクするような試合になればどの階級でも」と語っていた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/battle/news/CK2014090702000159.html
中日スポーツ 2014年9月7日
井上尚弥がフライ級へ転級明言
WBC世界ライトフライ級王座の初防戦(5日)をTKO勝ちで飾った井上尚弥(21)=大橋=が6日、横浜市内のジムで記者会見し、王座を返上してフライ級に階級を上げることを明言した。同門の先輩である八重樫東(31)を破ってWBC世界フライ級王者になったローマン・ゴンサレス(27)=ニカラグア=を標的の一人に掲げ、「八重樫さんの借りを返したい」と誓った。
井上の目は次なるステージを見据えていた。ライトフライ級(上限48・988キロ)での減量は限界にきていたため、フライ級への転級は既定路線。そこには、八重樫をキャンバスに沈めたゴンサレス(通称ロマゴン)がいる。その話になると、井上の目がギラリと輝いた。
「やりたい。いつか八重樫さんの借りを返したい」
前夜はタイからの刺客、サマートレック・ゴーキャットジムに11回TKO勝ち。その後に行われた八重樫-ロマゴン戦は目に焼き付けた。感想を聞かれると「(ロマゴンは)強いのは強い。でも、八重樫さんの攻めをいやがっていた。必死になって、パンチが流れる場面もあった。大振りのパンチもありました」と自信ありげに笑みを浮かべた。
国内最速の6戦目で世界王者となり、怪物と呼ばれる井上。片や40戦全勝34KO、アマ時代から通算127連勝負けなしの世界の怪物。実現すれば、真の怪物を決める一戦となる。
大橋秀行会長は「井上はフライ級転級後、ノンタイトル戦をはさまないで、いきなり世界挑戦もあり得る。しかし、いきなりロマゴンじゃなく、他団体の王座を取らせて、1年後ぐらいに統一戦という形でやれば面白い」とプランを明かした。
日本の怪物は「フライ級に上げれば、ベストのパフォーマンスができる。それまでロマゴンには負けてほしくない。生涯初黒星をつけるのはボク」とニヤリ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/battle/news/CK2014090602000182.html
中日スポーツ 2014年9月6日
八重樫東、壮絶に散る ゴンサレスにTKO負け
◇WBC世界フライ級タイトル戦
ボクシング3大ビッグマッチ▽5日▽東京・代々木第二体育館▽観衆5000人
八重樫東(31)=大橋=が壮絶に散った。フライ級世界最強の呼び声もあるローマン・ゴンサレス(27)=ニカラグア=に捨て身の打ち合いを仕掛けたが、9回に力尽きてレフェリーストップによるTKO負け。WBC世界フライ級王座4度目の防衛は成らなかった。だが、鬼気迫る闘いぶりに、観客は心を揺り動かされた。村田諒太(28)=帝拳=はプロ5連勝を飾ったが、初めてKO決着できず不完全燃焼。井上尚弥(21)=大橋=は11回TKOでWBC世界ライトフライ級王座初防衛戦に成功。今後はフライ級で2階級制覇を目指す。
不思議なボクサーだ。八重樫が、負けて男を上げた。9回、壮絶KO負け。負けたはずなのに、リング上でインタビューを受ける。
「ロマゴン(ゴンサレスの愛称)は、やっぱり強かった。めっちゃ怖かった。打たれたら打ち返す。作戦はそれしかなかった。時々、悲鳴のような声も聞こえましたけど、みなさんの声援が力になりました」
両目をふさがれ、傷だらけの顔で、ユーモアたっぷりにそう言うと、会場は笑いに包まれた。
3回、左フックにダウンすると、捨て身の戦法に出た。8回、膝が折れそうになったが、粘り腰で踏ん張り逆襲。ただでは死なない、たとえ死んでも、おまえを道連れにしてやる-そんな執念が伝わってくる戦いぶりだった。これぞ、ザ・八重樫ワールド。圧勝のはずのロマゴンの顔には、おびえのような色も浮かんだ。そして勝利の瞬間、号泣してバンザイ。死闘から解放された安堵(あんど)感か。ロマゴンも追い詰められていた。
8月、うだるような暑さのある日、東京都内の公園で走り込みを終えた八重樫がつぶやいた。
「ある焼き肉屋の店長が言ってました。ボクシングはロマン、と。弱い者が強い者に勝つから、ロマンがあるんです」。“ボクシングはロマン”は、弟分である元WBC世界スーパーフライ級王者で、現在は岩手県で焼き肉店を営む佐藤洋太の引退試合のセリフだ。八重樫はさらに続けた。「でも、ロマンだけじゃない。ボクは自分に商品価値がある限り、リングに立ち続けたい。まだ八重樫の試合が見たい、と言われる限り。八重樫の試合を見たいと言っていただければ、何度でも立ち上がる。必要とされなくなった時が引退の時」と。
試合後の会場に「八重樫、ありがとう」「男前」の声が響き渡った。体のダメージが心配される。だが、自分の戦いぶりで勇気をもらったと言ってくれる人がいる限り、八重樫はこれからも戦いをやめるつもりはない。
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