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河北新報 2019年12月22日日曜日
河北春秋
彼のように多くの人に愛され、応援してもらえる選手はそういないだろう。プロボクシングの元世界3階級制覇王者、北上市出身の八重樫東(あきら)選手(36)。23日、2年7カ月ぶりの世界戦に挑む▼直近のタイトルを失って以来、目指してきたのは日本人初の4階級制覇。だが、今年6月に井岡一翔(かずと)選手に先を越されると、その後も交渉はまとまらず、既に制した階級の王座を再び狙うことになった▼無念だったに違いない。それでも「また世界戦の舞台に立てることをうれしく思う」。相手が40戦38勝2敗の強敵で、自身と同じ学年であることに奮い立った。11月、他階級の最強決定トーナメント決勝で井上尚弥選手を苦しめた相手が36歳だったことにも刺激を受けた▼打たれたら打ち返す、激しい闘いでファンの心をつかんできた。年齢を重ね、肉体的にも精神的にもきつくなる中、そのスタイルを貫いていることには驚かされる。プロデビューして15年、今回が14度目の世界戦になる▼競技人生は最終盤を迎え、勝敗に関係なく、今後はどの試合も進退に影響してくる。八重樫選手は自らの引き際について自著にこう書いている。「持っている感覚、反応が少しでも鈍ったときが限界」。その時が先であることを願いつつ、勇姿を心に刻んでいきたい。(2019.12.22)
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