2014年11月17日月曜日

4冠対決

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さうぽんの拳闘見物日記 2014-10-31 17:47:18
重圧を撥ねのけ「4冠対決」に勝利 田中恒成19歳、原隆二をTKOしOPBF王座に
リングに上がった田中恒成の顔は、何だか青白く見えました。
過去3試合のときには感じなかった緊張感が、その表情から、はっきり伝わってきました。
ホールに大挙してやってきた名古屋からの応援団が送る「恒成コール」のさなか、
19歳の若者がこの大きな期待と、難敵・原隆二の存在から来る重圧に押し潰されてしまうのではないか。
そんな悪いイメージが急にこちらの心中に湧き上がってくる中、試合開始を待ちました。
そして立ち上がり、田中はこれまでの試合では見たことのない苦境に追いやられました。
最近不調、苦闘続きと評される原隆二は、僅か4戦目で自分に挑んでくる19歳に対し、
不利の予想を立てられたことに、当然思うところがあるのでしょう、
場内の喧噪の中、思う存分に自らの力を解き放ったかのような猛攻を仕掛けました。
右クロス、左ボディが立て続けに飛び、田中をクリーンヒットします。
その波状攻撃を田中は防ぎきれず、繰り返し打たれる。もう少しで「捉えられている」という
表現になってしまうような劣勢でした。
いかに才能に恵まれ、努力を重ねていようともまだ19歳、プロ4戦の若者です。
早々に迎えた大一番で、これ以上なく悪い立ち上がりの展開を見て、
今日は田中の負ける流れなのだろうか、と思っていました。
しかし2回以降、原の重厚な攻撃に対し、田中は徐々に速さ、鋭さで勝る攻撃で対抗します。
立ち上がり、流れを失ったかに見えたのに、この反発力というか逞しさは、
単に素質に恵まれた若手、という次元の話では語りきれない強者の証でしょう。
やはり田中恒成は、中部のみならず、日本の期待を背負うレベルの、逸材でした。
その後の試合は、両者が毎回のようにポイントを奪い合い...というだけでは収まらず、
ラウンドの前半と後半で優勢と劣勢が激しく入れ替わる、めまぐるしい闘いとなりました。
最軽量級ならではのスピードと、クラスの常識を越えた迫力を伴った激しい攻防が間断なく続き、
5回以降は毎回のようにどちらかが好打を決め、猛攻をかける展開。
場内は歓声と悲鳴が交錯し、ゴングの音も聞こえない。
5回、田中右好打、猛攻。6回、田中ペースながら原が逆襲、打ちまくる。
7回、原が力強い連打で田中を抑えにかかると、8回、足取りがやや乱れた田中が、
それでも速い連打を決める。
双方ダメージと疲労が目に見えてきて、それでもその姿から、果敢さが消えることはありませんでした。
8回終了時で私の採点はイーブン。そして、こういう展開で終盤に来れば、これはやはり
序盤から思っていたとおり、田中恒成の敗れる流れなのか...と思っていました。
9回、田中が鋭いショートの三連打、左アッパーが決まるが、原も反撃、打ち合いで打ち勝つ。
いよいよ押し切られるかと見えたが、ここから田中が左右のボディ攻撃で押し返し、猛攻。
原はよろめいて後退、目線が田中を捉えられず、懸命に田中を捜している状態。
ところがこの体勢から原が左右のフックを振り回し抵抗。またもゴングが聞こえない。
10回、田中がなおも激しく攻め立て、福地レフェリーが原を救うレフェリーストップ。
少し早いと見る向きもあるかもですが、原の打たれ方がそれまでとは違う種類のものであることを
しっかり見極めたナイス・ストップで試合は締め括られ、田中恒成は見事な勝利を手にしました。
何かといえば「最短記録」の話題ばかりを背負わされながら、その重圧を撥ねのけ、
19歳の若さで、単に才能に恵まれているだけではない、真の強者たりうる証を見せた田中恒成。
敗れてなお、その堂々たる闘いぶりを見せつけた原隆二。
両者の闘志が放つ熱量の凄まじさは、見る者の心を揺さぶらずにはおかないものでした。
どれだけ称えても足りません。言葉が追いつかないという感じです。
これぞボクシング、というものを見ることが出来た。素晴らしい試合でした。
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ということで、こちらで速報したとおり、予想以上の激闘、熱闘でした。
誤字脱字の多さも壮絶ですが、すごい試合だったので手元が狂った、ということで
どうかご容赦ください。何回も「担架」が出るほど壮絶だった、というわけではありませんが。
とにかく、見に来て良かった、来てなかったら絶対後悔してたと思います。
馬鹿をやった甲斐がありました(^^)
個人的には、中部のリングに改めてスター誕生、というのが嬉しいところですね。
来年にも世界挑戦、という話には、少々複雑な気持ちもありはしますが、
それはまたおいおい語る機会もありましょうし、今回は、現時点でこの強敵を下したこと、
その内容が思った以上に素晴らしかったことを、素直に称えたいと思います。

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